高梨沙羅のライバルは? 最高峰の「サラ対決」 スキー・ジャンプ女子
- スポーツ
- 2022年2月2日
高梨沙羅(クラレ)のライバルは、かつてはサラ・ヘンドリクソン(米国、昨年3月に引退)だったが、北京オリンピックは新たな「サラ」が金メダルの最有力候補に挙がる。ノルディックスキー・ジャンプ女子で今、世界のトップに立つ20歳、マリタ・クラマー(オーストリア)だ。
今季W杯5勝「サラ・マリタ・クラマー」
以前はサラ・クラマーの名でノルディック複合の大会に出場し、公式サイトやインスタグラムでは「サラ・マリタ・クラマー」と記している。
オランダで生まれ、オーストリアに移り住み、15歳でワールドカップ(W杯)にデビューした。18歳だった2020年1月の札幌大会で初優勝。昨季はW杯個人総合3位に入り、今季は9戦5勝と圧倒的な成績を残している。
約170センチの長身から男子選手のような力強さで踏み切り、はまった時の飛距離は他の選手を大きく引き離す。高梨は「全体的な流れはもちろん、テークオフした時の打点の高さがあり、その後の重心移動も早い。そのあたりが彼女の強さかなと思う」と語る。一方で大舞台の経験は少なく、優勝候補だった21年の世界選手権は個人2種目とも4位。初の五輪で重圧を克服できるかがカギになる。
大ジャンプへ 課題は着地姿勢
25歳になった高梨は銅メダルを獲得した18年平昌五輪の後、自身のジャンプを一から作り直してきた。今季はW杯で1勝し、女子のW杯が始まった11~12年シーズンから11季連続で表彰台の真ん中に立った。助走がより安定すれば大ジャンプが見込める。着地姿勢が課題になりそうだ。
14年ソチで初代五輪女王となったフォクト(ドイツ)は成績不振で落選、平昌五輪を制して一時代を築いたルンビ(ノルウェー)は体重管理の難しさから今季は出場していない。クリジュナル、クリネツ、ボガタイの3本柱を擁するスロベニア勢、前回銀のアルトハウス(ドイツ)もメダル候補だが、それぞれが現状の力を最大限発揮すれば、最高峰の争いは「サラ対決」になる。
毎日新聞より転用
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