土地所有者になりすまして不動産会社から都内の一等地にある土地の購入代金約6億5千万円を詐取したなどとして、警視庁捜査2課は1日、詐欺と偽造有印公文書行使の疑いで、無職の福田尚人容疑者(60)と会社役員の山口芳仁容疑者(54)=いずれも別の詐欺事件で受刑中=を逮捕した。2人は地面師グループとみられるという。

逮捕容疑は平成27年9月、東京都渋谷区富ケ谷の土地約480平方メートルを所有している高齢男性になりすまして、都内の不動産会社に土地を売ると持ち掛け、土地の購入代金名目で約6億5千万円をだまし取ったとしている。

捜査2課によると、福田容疑者が事件を計画。別の男性が所有者を装い、山口容疑者は所有者のボディーガード役となっていた。不動産会社側には、偽造したとみられる所有者のパスポートを示すなどし、信用させていた。だまし取られた金のうち、7千万円が山口容疑者、1億円が福田容疑者に渡ったという。所有者を装った男性はその後、死亡した。

不動産会社との契約手続きなどは都内の法律事務所で行われた。この法律事務所は福田容疑者ら地面師グループの一員とみられる元弁護士が実質的に運営していたという。

不動産会社が土地の登記をしようとしたところ、印鑑証明が偽造されていることに気付き事件が発覚。警視庁に被害相談していた。