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『ハッピーターン』45周年でまさかの“減塩” 「全然ハッピーじゃない」「許せない」悲嘆の声に亀田製菓が返答


今年45周年を迎えた『ハッピーターン』© ORICON NEWS 提供 今年45周年を迎えた『ハッピーターン』

 1976年、第一次オイルショックの影響で不景気であった中、“幸福が戻ってくる”ように願いが込められ発売された『ハッピーターン』。それから45年、これまで“魔法の粉”を増量した『パウダー150%』『パウダー250%』が話題を呼んだが、先月、まさかの『減塩ハッピーターン』が発売されると、「許せない」「邪道」「全然ハッピーじゃない」などの声が寄せられ、Twitterトレンド入りに。あの“甘じょっぱさ”こそが同商品の醍醐味なのだが、いったい何があったのだろうか。亀田製菓に聞いた。

■甘じょっぱい、楕円型、キャンディ包装…すべてが業界初の試み、挑み続けてきた45年

発売当時は堅焼きのしょっぱい醤油味の丸型せんべいが主流だった中、洋風の甘じょっぱい楕円型せんべいは瞬く間に人気商品となった。

「今までとは違うせんべいをコンセプトとして、液体の醤油蜜ではなく、洋風のイメージを売り出すために甘じょっぱいパウダーで味付けしました。また、食べやすくするために、粉が落ちにくくて指につきにくい“キャンディ包装”もせんべいとしては初めての挑戦で、開発には非常に苦労したと聞いています。発売後はその目新しさと美味しさから、すぐにご好評をいただけました」(亀田製菓広報の池ノ上雄樹氏/以下同)

国民的米菓として地位を固めた『ハッピーターン』は、発売以来、その売上も右肩上がりを続けている。その理由は、隠れた企業努力だ。生地と味付けには、消費者に気づかれない程度の改良が繰り返し加えられている。”変わっているけど、変わっていない”――。微妙なラインを探り続けることで、既存ファンからの支持を得たまま進化を続けている。

「発売当時からずっと変わらない同じ味のままだったら、ここまで残っていなかったかもしれません。45年の中で、お客様の声を基に少しずつ進化していることがロングセラーの秘訣だと考えています。ただ、一度に大きく変えすぎると別のお菓子になってしまうので、少しずつ改良を重ねるようにしています。2005年にパウダーがしっかり付着するための生地の小さな溝“パウダーポケット”を開発し、2007年には掘った溝の間にさらに凸凹をつけ、2009年にポケットの数を増やし、2016年にポケットの大きさを拡大。2019年には味付けの最後にうまみを足す“ハッピーシャワー製法”を生み出しました」

■人知れず進化を遂げてきた「魔法の粉」やみつきの理由“美味しさの波”が減塩でも健在

こうして人知れず進化を遂げてきたハッピーパウダーは、SNS界隈では「魔法の粉」とまで呼ばれ、ファン層を拡大してきた。そのやみつきのメカニズムは、亀田製菓社内の研究機関「お米総合研究所」で日夜、解明が進められている。

「おいしさの感じ方のバランスが鍵になってくるのですが、塩味→甘味→うま味→甘味と順番に舌で感じられることで、“美味しさの波”を表現しています。また、甘味の後にまた塩味がほしくなって、ついついもう1つ手が伸びてしまう…という仕組みですね。ネット上ではハッピーパウダーについて研究し、パウダーの自作に挑戦していただいている方もいらっしゃいますが、完全に再現するのは難しいかなと思います」と、池ノ上さんははにかむ。

2009年には全国の“魔法の粉ファン”に向けてパウダーが2.5倍に増量された『パウダー250%ハッピーターン』が発売され、大きな話題を集めた。

「『粉が多いもの見つけると嬉しい』『粉落としてごはんにかけて食べています』という声を多く頂いていたので、より粉が食べたいというお客様向けに開発しました。2009年の発売開始からいまだにご好評を頂いていますが、パウダーを増量したハッピーターンは、濃い味付けがウケて、若年層の方に多く召し上がっていただけているようです」

さらに今回発売開始した『減塩ハッピーターン』は、年々高まる健康志向ニーズに応えながら、美味しさはそのままに、商品化に成功した。SNS上では、“魔法の粉ファン”からは「許せない」「邪道」「全然ハッピーじゃない」といった悲嘆の声が挙がった一方で、実際に食したユーザーからは「罪悪感なく食べられる」「子どもにも安心」「オリジナルと味変わらない」等、多くの反響が寄せられている。

「兼ねてからお客様からいただいていた『ハッピーターンは好きだけど、塩分が気になる』というお声にお答えする形で開発に至りました。ただ、減塩にしたことで美味しくなくなったということでは意味がないので、甘じょっぱい美味しさをそのままに、いかに塩分を削減するか、1年ほど研究を重ね、商品化に成功しました。詳細は社外秘ですが、うま味成分を駆使することでコクをアップし、美味しさにつなげました」

■商品の強みとトレンドの間で求められるバランス感「“健康志向=美味しくない”を打破する時代」

数年前に発売された同社の『減塩 亀田の柿の種』も大きく売り上げを伸ばしていることからも、今まで以上に健康に対する意識の高まりを感じているという池ノ上氏。商品の強みと世間のトレンドの間でうまくバランスを取ることが求められる今、いかに商品を展開していくのか。

「昔は健康志向の商品=美味しくないというイメージがあったと思うんですけど、メーカーとしては、美味しさと健康を両立することが求められていると思っています。現在クラウドファンディングのMakuakeを活用して、『“砂糖ゼロ” ハッピーターン』も発売に向けて取り組んでいますし、当社の技術を生かせば美味しくて健康にも嬉しい商品を開発していけると思っています。」

国内米菓売り上げ1位である『亀田の柿の種』に次いで、亀田製菓内では2番手ブランドの『ハッピーターン」。1976年の発売から売り上げは伸び続け、これまで大きな危機を迎えることもほとんどなかったという。消費者の声を敏感に察知し、商品に反映し続けた結果であるが、今後も商品の幅を広げながら、さらに新たなファンを増やしていきたいと池ノ上氏は語る。

「ありがたいことに、幅広い世代の方々に愛され続けている商品ではありますが、そんなに頻繁に食べるわけではない方や、最近はあまり食べてないという方もいらっしゃるかと思います。パウダー増量や減塩、砂糖ゼロなどの取り組みや、期間限定味や百貨店向けの『ハッピーターンズ』という高級ラインの商品など、バリエーションを増やしていくことで、今後さらに多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。今後も親から子へと世代を超えて、50周年、100周年と愛されるブランドを目指して進化していきたいと思っています」

 

ORICON NEWSより転用

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