答弁台にアクリル板、水差しはペットボトルに…対策強化も国会は「3密」のまま
- 政治・経済
- 2021年1月31日
国会が、新型コロナウイルス対策に本腰を入れ始めた。衆院は委員会室にアクリル板を置き、参院では審議中の議員が水分補給に使う水差しの提供をやめた。
衆院は22日の予算委から、首相や閣僚の答弁台前に飛沫ひまつ感染を防ぐアクリル板を設けた。参院は27日の予算委から、事務局が用意してきた水差しをペットボトルに切り替えた。複数の議員が同じ水差しに触れる機会を避ける狙いがある。
ここにきて感染対策を強化するのは、国会関係者に感染が広がっているためだ。感染が確認された国会議員は9人に上り、このうち立憲民主党の羽田雄一郎・元国土交通相は昨年12月に亡くなった。議員秘書や衆参事務局職員の感染も相次ぎ、「新型コロナの波が国会にも及んでいる」(自民党若手)状況だ。
国会はこれまでにも新型コロナ対策を講じてきた。参院は昨年4月以降、本会議の際には出席議員が1席ずつ間隔を空けて座っている。本会議場は旧貴族院時代の名残で460の議員席があり、議員定数245人に対して十分な余裕がある。衆院の議場は議席数にゆとりがないため、採決時を除いて出席議員を半分程度に減らす対応を取っている。
もっとも、一連の感染対策だけでは十分と言いがたい面もある。議場や委員会室に多くの議員がひしめく「3密」はコロナ前と変わらない。
衆院予算委では出席人数を調整しておらず、委員50人に加え、首相や閣僚、秘書官らが出席している。26日の衆院議院運営委員会理事会では、日本維新の会が「予算委が密になっている」と警鐘を鳴らし、同調する意見が出た。
これに対し、衆院予算委の野党筆頭理事を務める立民の辻元清美副代表は「問題意識を持っている」として、対策を検討する考えだ。
読売新聞より転用
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