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三菱スペースジェット、70席級計画見直しも 北米市場に不透明感、開発費は半減


三菱重工業(7011)は5月11日、子会社の三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(MSJ、旧MRJ)」の開発費について、今年度は前年度の半分にあたる600億円程度に圧縮する方針を明らかにした。また、北米市場向けの70席クラス「M100」は検討作業を見合わせ、新型コロナウイルス収束後の市場動向を見極める。

◆M100検討見合わせ

MSJは、2019年6月にMRJから名称を改めたリージョナルジェット機。MRJ時代のラインナップは、メーカー標準座席数が88席の標準型「MRJ90」と、76席の短胴型「MRJ70」の2機種構成だった。改称後はMRJ90を「SpaceJet M90」に改め、北米市場に最適化した機体サイズの70席クラス機「SpaceJet M100」をM90を基に開発する計画だが、検討作業を見合わせる。

現在開発が進んでいるM90の納期は、6度目の延期により2021年度以降を予定しているが、さらに延期となる可能性が出てきた。11日にオンライン会見を開いた三菱重工の泉澤清次社長は、「航空機事業を取り巻く環境が変化している。M90のスケジュールは精査していきたい」と述べた。

MSJは、機体の安全性を証明する「型式証明(TC)」を国から取得時に使う飛行試験10号機(登録記号JA26MJ)が3月18日に初飛行。当初は米国での飛行試験拠点「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC) に今春フェリー(回航)する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で遅れが出ており、時期は未定。MFCでは、すでに4機の飛行試験機で試験が行われているが、3月下旬から5月4日までは感染拡大を防ぐため飛行試験を中断していたことも、開発スケジュールの遅延に影響しているとみられる。

一方、M100は三菱重工と三菱航空機で事業化に向けた検討段階で、正式な開発着手には至っていない。M100の市場投入は2023年を計画していたが、北米市場で経年機を置き換える需要の動向などを見極める考えだ。

◆10年遅れも

2008年に開発がスタートしたMSJは、当初の納期は2013年だった。その後2014年4-6月期、2015年度の半ば以降、2017年4-6月期、2018年半ば、2020年半ばと5度にわたる納入延期が示され、今年2月6日に6度目の延期が公表された。

今年3月末時点の総受注は287機あるが、このうち売上が現時点で見込める確定受注は163機で、残るオプションと購入権の124機を受注できるかは、スペースジェットの仕上がり次第だが、

初号機を受領予定のローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、確定発注15機とオプション10機の最大25機を発注したが、度重なる納入遅延により代替機を手配済み。すでに計画通りに納入が始まらないことを念頭に経営計画を立てているものの、7度目の延期も起こりうる状況になりつつある。

日系航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)も32機発注済みで、すべて確定発注だ。納期は2021年を予定しており、JALも影響を受ける可能性が高まってきた。

このままいくと、当初の納期から10年遅れの2023年になることも現実味を帯びてきたといえる。

11日に三菱重工が発表した2020年3月期連結決算は、本業のもうけを示す事業損益が295億円の赤字(19年3月期は2005億円の黒字)となり、2000年3月期以来20年ぶりに赤字転落した。

売上収益は2019年3月期比0.9%減の4兆413億円、純利益は21.0%減の871億円だった。2021年3月期通期の業績予想は、売上収益が2020年3月期比6.0%減の3兆8000億円、事業利益と純利益はゼロを見込んでいる。事業利益については、2150億円の利益が見込めるものの、新型コロナの影響やスペースジェット関連の支出などの要因で、プラスマイナスゼロになると説明している。

Aviation Wire

 

 

一言コメント
もう延期が当たり前になってきた。


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