データミックスは企業間取引・企業経営に必須なビジネスニュース、政治・社会ニュースを配信しています

お名前ドットコム

チリ産ワイン減速止まらずフランス産が首位へ 日欧EPA効果


 フランス産ワインの輸入量が今年、首位のチリ産を上回る可能性が出てきた。フランス産のボトルワイン(スパークリングを除く)の輸入が今年に入り急増。2月に発効した日欧経済連携協定(EPA)で欧州産の関税が撤廃されたためだ。市場をけん引してきたチリ産の減速が止まらず、国内ワイン市場全体で見ると年間では前年割れで着地する見通し。2020年はチリ産へのテコ入れが進みそうだ。
チリ産の減少分を補い切れず

小売店のワイン売場では欧州産の棚割を拡大した半面、チリなどのニューワールドワインの棚を縮める傾向が見られた。欧州産は拡大したもののチリ産の減少分を補い切れていない構図が続いている。

すでに秋冬の棚割でチリ産復調の兆しが出てきたと見るインポーターもある。2020年は棚割の見直しが進み、チリ産の取り扱いを以前の水準近くに戻す小売店が増えそう。

国内ワイン市場の約7割は輸入が占める。このうち、輸入スティルワインの約3割を占めるチリ産の落ち込みが目立っている。チリ産の低価格品の販売構成比が高い企業ほど日欧EPAのマイナス影響が大きかったと見られる。

今年は関税が撤廃された欧州産の需要が高まったが、価格面での提案に終始し、消費者にワイン本来の価値である産地や品種、物語性といった多様さや魅力を伝え切れなかったと指摘する関係者が多い。価格競争から脱却しワイン本来の価値を打ち出したいのは各社共通の考えだ。

今後は増加基調が続くスパークリングワインや需要が高まりつつあるオーガニックワインを切り口とした提案が増えそう。オーガニックワインはまだ小さい市場だが有望なカテゴリーとして捉えられ、ラインアップを拡充したり料飲店向けの提案を強化したりして積極的に取り組む企業が増えている。

日米貿易協定で米ワインの話題喚起へ

2020年1月にも発効するとされる日米貿易協定では、日本が米国から輸入するワインの関税がTPPと同水準で引き下げられ、2025年に撤廃される方針だ。日本国内では米国産の話題が喚起され需要増につながりそう。

過去にはチリやオーストラリアのワインが同様に関税の引き下げで恩恵を受けた。市場活性化のチャンスと捉え、積極的に売り込もうと準備を進める企業も見られる。ただ、米国産は比較的高単価であることに加え、今回は日欧EPAのように発効時に即時撤廃されないため、市場への影響力が小幅にとどまる恐れもある。

また、財務省の統計によると、ボトルワインの1~9月の輸入量はフランスからが3267万リットルと前年より14.8%増えた。チリからは11.2%少ない3574万リットルで、首位の交代が迫っている。実現すれば2015年以来、4年ぶりとなる。

10月の消費増税に伴うワインの駆け込み需要は、国内製造ワインの大容量品を中心にあったもよう。駆け込み需要の規模は想定よりも小さく、11月に入り反動は収束したとの見方が強い。

ワイン総市場は1~10月までで約2%減で推移したもよう。年間では1~2%程度前年を下回って着地しそうだ。

国内ワイン市場は2015年をピークに踊り場を迎えている。チリ産の1本500円前後の低価格品が消費をけん引していたが、近年はワイン飲用者が缶チューハイなどのRTD(レディー・トゥ・ドリンク)に流出する動きに歯止めがかからない状況だ。

2月に日欧EPAが発効したことで欧州産の関税が撤廃された。インポーター各社は一部欧州産の価格改定を実施し、欧州産の店頭価格が引き下がった。だが、EPAによる消費拡大効果は限定的で、想定を下回ったと指摘する関係者が多い。

※日本食糧新聞の2019年12月6日号の「ワイン特集」から一部抜粋しました。

日本食糧新聞

 

 

一言コメント
チリ産も美味しいんだけどねぇ…


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

独自記事

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第5弾)

株式会社ブランニュープランニングの終りの始まりが来た。 民事再生という逃げ道をとった村田晃士氏 登記簿(関税人の名前消して) 3月末に動きがあった。私共データミックスの情報が嘘ではないことを証明した内容だ。(株)ブランニ […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第4弾)

2024年、石川県能登半島での大地震から始まってしまい、衝撃的な令和六年のスタートに不安を感じたが、被災者の皆さんの行動力や頑張りに胸を打たれながらの2ヶ月でした。特に心苦しいのがこんな大変な状況なのに発生してしまうのが […]

2 comments

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第3弾)

今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 アメリカは大谷翔平選手移籍の話題で盛り上がる中、わが国では政治家の裏金問題が岸田政権を揺るがす事態となっています。 今から来年のことが心配になっている […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第2弾)

2023年ももうすぐ終わる。 年末に向けて慌しくなる中、私は取材と周りの情報収集に走り回った。 「この人は信用できない。」 こんな声をたくさん聞く。 そう、村田晃士氏のことだ。 きちんとやっていそうだが 「中身はなんにも […]

1件のコメント

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する

世界中で猛威を振るった新型コロナが国内では5類に移行し、街も日常を取り戻しつつあるが、それに伴い様々なトラブルも増えてきているようだ。 福岡、天神に本社を置く「㈱ブランニュープランニング」という主に飲食店の内装やロゴ作成 […]

2 comments

独自記事一覧

石川の一撃

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「尾崎朝樹氏・田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第11弾)

中国で発生した新型肺炎は終息する兆しがなく、世界中で猛威を振るいつつあります。 暖かい季節になってきましたが、読者の皆様も健康管理など、くれぐれもご留意ください。 前回、ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下クイーンズヒル […]

4 comments

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第10弾)

温暖化と言われる時代ですが、やはり寒い季節ですね。 読者の皆さん風邪など引かないようにしてくださいね。 児玉氏の毎年の様にお友達と行われるマックスゴルフコンペ動画を見て 貴殿のスイングに目を奪われましたよ。 それに加え「 […]

1件のコメント

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?役員構成変更そして今後のI・Bは?(第9弾 後編)

豪雨、台風と今年も不安定な夏でしたが、やっと涼しくなってきました。 東京五輪もいよいよあと1年となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 (取締役 児玉崇氏) 前回はデータ・マックス社の度重なる役員構成変更に […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?さらなる役員構成変更の意図は?(第9弾 前編)

梅雨が明け真夏日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? 昨年にも増して暑さが厳しく感じられますね。 しばらく酷暑は続きそうですが、読者の皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 さて、昨年も報じてきた「データ・マ […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?(第8弾 後編)

後編 「役員構成変更に見え隠れする児玉氏の未来図とは」 前編に続いてデータ・マックスグループの役員構成について考えた。 ※同役員構成については、「NetIB News」「データ・マックス」は善か悪か?信念か金か?(番外編 […]

1件のコメント

石川の一撃記事一覧

Copyright© 2017 データミックス All rights reserved.