韓国との関係悪化を反映=防衛白書
- 政治・経済
- 2019年9月28日
2019年版防衛白書は、「安全保障協力」の項目で韓国の記載順を昨年の2番手から4番手に降格するなど、出口の見えない日韓両国の関係悪化を反映させる内容となった。
一方、北朝鮮はミサイル開発を着々と進め、中国、ロシアも日本周辺での活動を活発化させている。日韓の対立は東アジアの安全保障環境に暗い影を落とす。
白書は「韓国との間で幅広い協力を進め、連携の基盤確立に努める」としながらも、「韓国側の否定的な対応が日韓の防衛協力・交流に影響を及ぼしている」と最近の情勢に言及した。
具体例として、韓国艦艇の海上自衛隊機への火器管制レーダー照射や、韓国による日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄通告などを列挙。防衛省は記載順の変更について「昨年末の防衛大綱に合わせた」とだけ説明するが、関係悪化が判断の根底にあるのは間違いない。
影響は今も続いており、10月の海上自衛隊主催の観艦式への韓国艦艇の招待は見送られた。
白書は同時に、北朝鮮の新型短距離弾道ミサイル発射やロシア軍機による島根県・竹島周辺への領空侵犯、中国公船による沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵入などにも触れた。日本を取り巻く安保環境が依然厳しいのは明らかだ。
東アジアでの安保分野の優位性を維持するには「日韓、日米韓の連携は必要」との日本政府の方針は変わっていない。日韓が対立したままでは周辺国を利する結果につながりかねず、日韓は関係改善の糸口を探る必要に迫られている。
一言コメント
しばらくはこの状態が続くだろう。
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