自民福岡県連新会長に原口氏 知事選のしこり残し船出 県議、派閥主導権争い…参院選結束に暗雲
- 政治・経済
- 2019年5月12日
自民党福岡県連は11日、新たな県連会長に原口剣生県議を選出し、総務会で承認した。任期は2年。原口氏は記者会見で、夏の参院選について「挙党態勢の中で一致団結して党公認候補の当選に向かって頑張っていく」と強調した。ただ、県連内は4月の県知事選で生じた対立を引きずったままで、一部国会議員の間には原口氏の会長就任に不満がくすぶる。参院選に向けていかに結束を図るか。新執行部は難しいかじ取りを迫られている。(九州総局 小沢慶太)
「満場一致で承認された。ルールにのっとって会長選をやり、何の瑕疵(かし)もないと考えている」。原口氏は総務会後の記者会見で、自らの会長就任が正当であることを示した。
蔵内勇夫前会長(県議)の辞任を受けた今回の会長選でも、知事選同様の権力争いが繰り広げられた。
自民推薦の新人が大敗した知事選では、武田良太元防衛副大臣を中心とした二階派と麻生太郎副総理兼財務相率いる麻生派が激しく対立した。麻生氏が新人擁立を主導したのに対し、武田氏らは党決定に反し、現職を支援した。
会長選でも、岸田派の山本幸三元地方創生担当相を担ごうとする武田氏らと、県議を推す麻生派が対立し、最後まで溝が埋まらなかった。
まとまらない国会議員を横目に県議団は原口氏擁立を決めた。立候補には県連役員62人のうち20人以上の推薦人が必要だが、原口氏は県議ら43人の推薦人を集め、山本氏が立候補できない状況に追い込んだ。巻き返しを図りたい麻生派と、国会議員に主導権を渡したくない県議団の利害が一致した格好だ。
会長選が告示された先月25日、武田、山本両氏らは県連所属国会議員の会合後に記者会見し「紳士協定に反し甚だ遺憾だ」と異を唱えたが、後の祭りだった。
武田、山本両氏らは11日の総務会を欠席した。総務会では出席者から原口氏の選出過程を疑問視する声も上がった。
山本氏は10日、県連幹部と面会し、今後の県連執行部人事などの重要事項について国会議員との事前協議を申し入れた。これについて原口氏は記者会見で「できる、できないがあると思うので考えたい」と述べるにとどめた。
会長選で山本氏擁立に同調した岸田派の古賀篤衆院議員は総務会後、記者団に「いろいろな県連での決めごとについて幅広く国会議員も含めて議論するべきだ」と新執行部にクギを刺した。
知事選で党本部が新人推薦に踏み切ったのは、参院選にしこりを残さないことが条件だった。原口氏ら新執行部は党内対立を抱えたままの厳しい船出となる。
一言コメント
こんな状態で参院選は大丈夫?
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