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もはや「子どものおやつ」ではない!?ベビースターラーメンの戦略


最近、スーパーである商品に思わず手が伸びた。スナック菓子「ベビースターラーメン」。子どもの頃、駄菓子屋さんで買い食いした記憶がよみがえる。次は別の棚に「ベビースターラーメンおつまみ」が目に留まり驚いた。ベビースターを「子どものおやつ」と思い込んでいたが、実は大人向けの商品も存在していたのだ。メーカーに申し訳ない思いでともに購入。自宅で商品のことを調べると、とてもドラマチックな歴史が見えた。

メーカーは「おやつカンパニー」(三重県津市)。1948年、麺類製造「松田産業」として創業した。主力のベビースターラーメンが誕生したのは59年。創業者の松田由雄氏(故人)が、乾麺の製造工程で生じる麺の「かけら」を味付けして従業員のおやつに提供したところ、これがバカ受け。評判は地域住民にまで広がり、商品化が決まったという。現在の生産量は年間5億食。戦後の食糧難を経験した「もったいない」精神がヒット商品を生んだわけだ。

お湯も箸も使わず、麺をつまんで食べるチキン風味のラーメン菓子。発売当初は「ベビーラーメン」だったが、73年、「子どもたちに1番人気のおやつに」との願いを込め「ベビースター」に。腹持ちの良さと低価格で狙い通りに大ヒットした。しかし、やがて大きな壁が立ちはだかった。少子化だ。

発売時からチキン一辺倒だったが、88年にみそ、カレーを追加した。これを機にターゲット世代の幅を広げ、パンメンやぐるぐるもんじゃ、ドデカイラーメン、大人のラーメン、カレーチェーン「CoCo壱番屋」などとのコラボ商品、「黒豚とんこつ入りラーメン明太子味」などのご当地もの―。現在の商品ラインアップは「これでもか」と言わんばかりに多彩だった。

その一環で98年に発売されたのがラーメンおつまみ。ピリ辛チキン風味の麺にピーナツが交じり、商品説明には「ビールのおともにぴったり」とある。明らかにターゲットは子どもではなく、飲酒ができる20歳以上の大人なのだ。

「時代が変わる中、商品の役割も変わりました」

 そういえば商品の包装袋に印刷されたマスコットキャラクターが新しくなっている。同社HPによると、「ホシオくん」という名の男の子で、3代目キャラとして今年1月登場したばかり。初代キャラは名前のない女の子、2代目は88年に誕生した中華服姿の男の子「ベイちゃん」と、その妹として2000年登場の「ビーちゃん」だった。

ホシオくんは星柄入りの白い帽子に赤いセーター姿。なぜかマイクを握り歌うなどして「アゲアゲ」感を演出しているが、それもそのはず。キャラのテーマは「キブンちょい上げ!」。その趣旨を同社に聞くと、こんな答えが返ってきた。

「生産コンセプトは、以前の子どもをターゲットにした『満腹感』から、大人の女性層も意識した『楽しさ』『幸福感』へシフト。時代が変わる中、商品の役割も変わりました」―。

ベビースターラーメンは発売から58年。かなり久しぶりに買い求めた商品の袋を開くと、懐かしい風味が鼻腔(びくう)をくすぐり、チキン味が指に染み着いた幼少期を思い出す。一緒に用意したのは冷えた缶ビール。一口ほおばってパリパリッとかみしめ、ビールで胃袋に流し込んだら、確かに良い感じ。食に対するメーカーのこだわりと挑戦がドラマチックに思い浮かぶと何だかうれしくなり、気分は「アゲアゲ」になった。

qBiz 西日本新聞経済電子版


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