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「この口座は私が自分で使う」デヴィ夫人がモナコ慈善団体から1700万円を持ち逃げしていた


インドネシア元大統領夫人で、「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ系)などのバラエティ番組に出演するデヴィ夫人(83)。今年5月まで代表理事を務めていた一般社団法人の資金を持ち逃げし、他の理事とトラブルになっていることが「 週刊文春 」の取材で分かった。

 この法人は、一般社団法人の「アミチエジャポン」(略称)。モナコに本部を置く慈善団体「アミチエ ソン フロンティエール」の日本支部である。「アミチエ」の「名誉顧問総裁」はモナコ公国元首の大公アルベール二世。大公の母で元ハリウッド女優グレース・ケリー妃に仕えたマダム・レジーヌなる人物が1991年に創設した団体だ。団体の目的は社交パーティーで集めた金銭を、国連機関に寄付することだ。

会員に送られた団体私物化の“告発”メール

 8月12日、アミチエジャポンの100名以上の会員たちに、次のメールが一斉に送信された。差出人は現・代表理事らの連名だ。

〈デヴィ夫人は私たちアミチエ会員たちの不安を煽られました〉

〈控えめに言っても、これらの一連の出来事が客観的に示すものは、アミチエを私物化なさろうとした夫人の行動です〉

「そこには、今春までアミチエ代表理事を務めたデヴィ夫人による経費を巡る疑惑、行状の数々が書かれていた。いわば夫人の団体私物化を“告発”する内容でした」(会員の一人)

 今年1月下旬、デヴィ夫人は戦禍のウクライナを支援するとして訪問。訪問時の様子は、新聞・テレビでも報じられたが、不透明な支出が問題視された。

「帰国後、デヴィ夫人は、ウクライナの渡航費用や物資輸送費用などを、アミチエから捻出せよと主張してきたのです。しかし、ウクライナ渡航はあくまでも夫人の単独行動です。アミチエのお金を使うとは事前に知らされていないし、メディアのインタビューやブログでも、アミチエの『ア』の字も一切出ていません」(理事の一人)

 そこで理事らは、3月の理事会で「事後決済は今回まで」と念押しの議決をした上で、苦肉の策として物資輸送費350万円の支出を認めた。

「ところが夫人は次の理事会でも、渡航費用や、現地での食費などを追加で事後請求してきた」(同前)

「代表の私がお金を自由に使えないなんておかしいです!」

 さすがに理事たちが「事後決済はもう受けられない」と理事会で否決すると、デヴィ夫人は「代表の私がお金を自由に使えないなんておかしいです!」と言い放ったという。

 結局、こうしたアミチエとの関連が疑わしいウクライナ関連などの請求は合計で600万円に上る。そして4月になると、デヴィ夫人はアミチエの会員に対し、個人事務所のアドレスからメールを送り始めた。

「内容は私たちへの非難に加え、アミチエと無関係な夫人の交遊録や、夫人の活動への勧誘です。会員の連絡先を転用する行為は悪質です。やむなく理事全員で議決し、夫人を解任することになりました」(同前)

 だが、1788万円の残高がある団体名義の通帳や印鑑を手放そうとせず、理事たちが返還を要求しても、デヴィ夫人は、「返却いたしません」と弁護士を通じて返答したという。

 デヴィ夫人を直撃した。

「わたくしがオーナーなの」

――アミチエの経費について、ウクライナ渡航費など「公私混同」があった?

「とんでもない。みんなでOKしたものです。言ったらあれですけども、ほんの少しのお金です」

――1788万円の入った通帳を返してない?

「わたくしはわたくしのアミチエを持ってますので。わたくしが商標登録しているの。わたくしがオーナーなの。わたくしはこの口座を自分で使おうと思っていますから」

 さらに事務所から次のような趣旨の書面回答が来た。

「(渡航費は)一旦受理されたものを理事達に拒否されました。(通帳は)残金を振り込むので新しい口座を作成してほしいと再三言ってきましたが、彼らには作れないのかもしれません」

 8月30日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」および8月31日(木)発売の「週刊文春」では、デヴィ夫人の金銭トラブルについて3ページにわたって掲載。また運転手への暴行、タニマチへの殴打などの疑惑についても報じている。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年9月7日号)

「週刊文春」編集部 より転用


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