予算を執行したくて…」 県職員が書類偽造、事業者に「身に覚えのない」補助金1100万円を交付 鹿児島
鹿児島県は17日、補助金支出に必要な書類を偽造し、事業者に約1100万円を勝手に交付したとして、出先機関の40代係長級職員を今月、停職3カ月の懲戒処分にしたと発表した。
人事課によると、職員は今年3月までに事業者が提出した林務関係の補助金交付申請書に、偽の申請書を複数紛れ込ませ、計約1100万円分の交付決定通知書なども偽造。別の担当職員は書式が整っていたとして、3月末に事業者の口座に振り込んだ。
4月上旬、事業者が県に「身に覚えのない入金があった」と問い合わせて発覚した。職員は所属部署や人事課の聞き取りに「年度末までに予算をすべて執行するつもりだったが、達成できずにこのような行動をした。深く反省している」と話しているという。
事業者から全額が返納され、県は実害はないとして職員を刑事告訴しない方針。個人の特定を理由に処分日や所属、性別は公表していない。
坂元加奈子人事課長は「入金すれば事業者が気付くのは分かっていたはずで真意が分からない。チェック体制の強化など再発防止策を徹底し、職務執行の適正化に全力を挙げる」と話した。
南日本新聞社より転用
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