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PayPayが「オフライン決済」を提供する3つの狙い 実際に試して分かった仕組み


PayPayは2023年7月20日、インターネットにつながっていなくても決済ができる機能を「PayPay」アプリに搭載したことを発表した。これは国内の主要コード決済サービスでは業界初。この新機能をいち早く試せる体験会に参加したので、その概要について説明しよう。

●社会インフラとしてオフラインでも決済できる機能を提供

 新機能の開発に携わったシニアプロダクトマネジャーのタンネルー・ドルヴァ氏は、開発の背景として3つの理由があると言う。(1)ユーザーの声、(2)PayPayが決済の重要なインフラであること、(3)キャッシュレス決済においてコード決済の重要性が増していることだ。

 ユーザーの声としては、「通信障害でPayPayも使えない」「コンサート会場で決済できない」「地下のお店で決済できない」といった声が多いのだそう。通信障害時はもちろんだが、コンサート会場などの人が多く集まる場所、地下などの通信が不安定な場所では、コード決済は利用しづらいケースがある。実際、筆者もランチ時に渋谷のレストランでPayPayを使った決済ができなかった経験がある。渋谷の通信がこれほど逼迫(ひっぱく)していることに驚いた出来事だった。

 今やPayPayの利用者は5800万人を超える。つまりスマホユーザーの約1.6人に1人が利用している計算だ。また2022年のキャッシュレス決済比率は、電子マネーの約59億回に対して、コード決済は約70億回と、初めて電子マネーを超えた。そのコード決済における決済回数で、PayPayは約67%のシェアを担う。

 「コード決済の弱点はインターネットにつながっていなければいけないこと。この弱点を改善し、通信が弱くても安心して利用できることは、社会インフラとして利用されている『PayPay』の義務にもなっています」とドルヴァ氏。

このような背景から、オフラインでも利用できる新機能が開発されたわけだが、災害を想定したサービスではないので、加盟店側のPOSレジはインターネットに接続されている環境であることが条件だ。

この新機能はストアスキャン方式の加盟店でのみ利用可能。ユーザーのスマホに表示されたバーコードやQRコードを加盟店側が読み取ることで、情報をPayPayに連携する。一方、ユーザーが加盟店のQRコードを読み取るユーザースキャン方式は、ユーザーから情報をPayPayに連携するため、ユーザーの通信環境が必須。このように連携方法が異なるので、ストアスキャン方式のみ対応。ユーザースキャン方式でのオフライン決済は今後、模索していくとする。

 支払い方法は「PayPay残高」もしくは「PayPayあと払い」。24時間で2回の利用上限があり、2回の合計で5000円までの決済ができる。なお、「PayPay残高」が5000円未満の場合は、その金額までの決済が可能。

 通常は決済時に「ペイペイ」という決済音が流れるが、オフラインの決済ではその決済音はなく、画面も決済情報に変わらない。その後、インターネットに接続されたタイミングでスマホにプッシュ通知が表示され、決済情報がPayPayアプリに同期される仕組みだ。オフラインのまま決済できる期間は最大14日間となっている。

 この新機能は最新バージョンのアプリで順次公開される。対応しているかどうかを確かめたいときは、スマホを機内モードにしてPayPayアプリを起動させた時に、上部に「インターネットに接続できません 5000円までのバーコード支払いが可能です」と表示されれば対応済みだ。

●混雑した場所や通信が不安定な場所でも安心して決済できる

 新機能の体験会は「Yahoo!マート by ASKUL」で行われた。同店はもちろんだが、大手コンビニはほぼストアスキャン方式に対応。通信できない状態を再現するために、使用するスマホを機内モードにして体験した。実際の利用シーンでは、PayPayアプリを立ち上げ、通信環境が悪い場合は、一定時間後にオフライン決済に切り替わる。

 決済時、バーコードやQRコードを店舗側の端末で読み取り、その後、機内モードを解除してインターネットを接続すると、決済情報が通知された。PayPayアプリを起動させると、決済情報が通知され、取引履歴にも同期されていた。

 この新機能が始まったことで、混雑した場所、地下などの通信が不安定な場所でも、安心してPayPayで決済できるようになる。最近では屋外の音楽フェスやイベントなどでもキャッシュレス化が進んでいる。今後、そういった場所での決済方法として、PayPayが選択されていく機会が増えていくのかもしれない。

ITmedia Mobileより転用


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