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セブン、物言う株主の圧力続く そごう西武売却も難航 委任状争奪戦も


セブン&アイ・ホールディングスは9日公表した新たな合理化策で、傘下のイトーヨーカ堂の不採算店舗閉鎖などを表明したが、「物言う株主」から厳しい追及を受ける状況は続きそうだ。相乗効果が出ないと切り離しを決めた百貨店事業の売却手続きが遅れるなど、経営陣の手腕が問われている。市場の理解が得られなければ5月の株主総会で事業再編を巡る委任状争奪戦に発展する可能性もある。

井阪隆一社長は9日の記者会見で「変化する日本の人口動態、消費形態に対して、今までの業態論ではなく、セブン―イレブンの大型店で必需品を買いそろえていただけるような新しい業態を確立する」と強調した。

セブン&アイが目指すのは強みである「食」と「コンビニ」を軸にした世界トップクラスの小売りグループだ。ただ、市場が成長する海外に比べ、少子化で縮小する国内では、低迷するスーパー事業の立て直しが欠かせない。そこでアパレルの撤退や首都圏への集中を打ち出すとともに、主力のコンビニ、セブン―イレブンの大型店舗化などの新たな戦略を示した。

だが、経営陣に対する市場の視線は厳しい。物言う株主として知られる米投資会社バリューアクト・キャピタルは1月、セブン&アイ株主に「コンビニ事業のスピンオフを実施すれば株主価値は80%高まる」とセブン―イレブンの分離・独立を提案する書簡を送付。祖業のイトーヨーカ堂の売却・分離も視野にグループ体制の抜本見直しを迫る。

セブン&アイは、コンビニを中心にスーパーや百貨店、外食、金融などさまざまな事業を抱え、売上高に当たる営業収益は令和5年2月期に11兆8120億円を見込む。とはいえ、その8割は国内外のコンビニ事業が稼ぎ、他業態は足を引っ張る状況が続いている。 経営資源をコンビニ事業に集中するため、昨年11月には百貨店のそごう・西武の事業売却で、米ファンドのフォートレス・インベストメント・グループと基本合意した。

ただ売却完了は、当初予定した今年2月から3月中にずれ込んでいる。フォートレスはヨドバシホールディングスと連携し、西武池袋本店など首都圏の一部店舗に家電量販店ヨドバシカメラを展開する方針だが、同店に関しては高級ブランドの撤退を招き資産価値が落ちるなどと懸念する声があり、地元の東京都豊島区や店舗の一部を所有する西武ホールディングスが難色を示している。

2月27日には、そごう・西武の従業員らが事業売却の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てており、相次ぐ反発に、井阪氏ら経営陣の調整力不足を指摘する声もある。

井阪氏は9日の会見で、現在のイトーヨーカ堂を切り離しても、単独で生き残るのは難しいとし、3年間という期限を区切った経営改革でスーパー事業を立て直す考えを示した。だが、目新しい内容がなかった今回の合理化策が物言う株主の納得を得られるかは不透明だ。バリューアクトが株主提案に動くなどした場合、事業再編の是非が改めて問われることになる。

産経新聞より転用

産経新聞

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