いじめの被害児童に卒業証書を渡さなかった元小学校長処分 堺市教委
校内で起きたいじめを報告せず、被害児童側に卒業証書などを渡さなかったとして、堺市教育委員会は1日、市立小学校の元校長(現在は市教委事務局の再任用職員)の男性(63)を減給1カ月(10分の1)の懲戒処分にし、発表した。
堺市教育委員会が入る庁舎(右手前)=堺市堺区© 朝日新聞社
市教委によると、男性が校長だった小学校で当時4年生だった児童がいじめを受け、不登校がちになり、登校できないまま2020年春に卒業した。いじめ防止対策推進法が定める「いじめ重大事態」が疑われる事案だったが、元校長は市教委に報告せず、「(被害児童の家庭に)連絡したがつながらなかった」と虚偽報告した担任を信じ、卒業証書などを渡さないまま児童を卒業させた。
市教委は、これらの行為がいじめ防止対策推進法などに抵触すると判断し、処分した。虚偽報告した6年時の担任教諭は、第三者委員会が調査を開始した21年春に退職し、処分できないという。
第三者委員会は22年3月に市教委へ報告書を答申したが、市教委は同年10月になって公表した。さらに処分までに時間がかかったことについて、市教委の担当者は「反省すべき課題と認識している」と話した。
朝日新聞社より転用
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