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大間マグロ漁獲未報告、配分枠に不満で常態化か…「うわさあった」不審感じていた漁師も


大間マグロ漁獲未報告、配分枠に不満で常態化か…「うわさあった」不審感じていた漁師も青森県大間産クロマグロの漁獲量の一部を県に報告しなかったとして、同県大間町の水産会社社長の47歳の男と61歳の男(いずれも同町)が7日、漁業法(漁獲報告義務)違反の疑いで県警に逮捕された。「大間まぐろ」は商標登録され、その名は高級食材として全国にとどろいている。地元の特産を巡る事件に、漁業関係者はブランド価値に影響が出ないか、不安を隠さない。

県警によると、2人は2021年夏、地元の漁師から買ったクロマグロ計約18トンの漁獲を県に報告しなかった疑いがある。

(写真:読売新聞)

 47歳の男の自宅には7日午前7時45分頃、県警の捜査員が捜索に入った。同8時頃、男は捜査員とともに玄関を出るとうつむきがちに車に乗り、むつ署に連行された。61歳の男も午前8時過ぎに自宅から連行されたが、黒いフードをすっぽりとかぶり、表情はうかがえなかった。

 漁獲量の未報告疑惑は21年8月、水産庁への情報提供を機に発覚した。県は22年8月、大間など3漁協の漁師20人が21年度分の約59・8トン分を報告していなかったと発表。県や漁協などで作る管理委員会は同11月、「組織的な隠蔽(いんぺい)などの悪質性は確認されず、重大な違反にはあたらない」と結論づけた。

 しかし県警の捜査で、2社の未報告は、21年度だけで約98トンに上ることが判明。これは県全体に当初割り当てられた漁獲枠の7分の1近くに相当する量だ。

 事件を受け、三村知事は「県が把握してきた事実と異なる部分については確認していく」とのコメントを出した。山中崇裕・県水産局長は再発防止に向けた方針として、「漁業者への指導を徹底し、マグロの水揚げから流通までを第三者が確認できるような仕組みの構築を国に求めていく」と述べた。

「生活が苦しい漁師を助けるため」

(写真:読売新聞)

 漁獲枠外の大間産クロマグロが流通していた事件。県警は、配分枠に対する漁師たちの不満を背景に不正が常態化していたとみている。有識者は、漁獲ルールの形骸化が日本の漁業に及ぼす影響を懸念する。

「悪いことはしているが、みんな食べるためにやっている」。47歳の男は逮捕前の読売新聞の取材に対し、そう話した。都道府県ごとの漁獲枠は2018年に設けられたが、2人は各漁師の配分枠を超えた分を、少なくとも20年以降は県に報告せず全国に流通させたとみられる。

 大間漁協はブランドを守るため、30キロ以上のクロマグロを出荷する際、商標登録した「大間まぐろ」の名称と魚体の識別番号を記したステッカーを貼っている。取材に対し、47歳の男は「(ステッカーがなくても)どこも大間産のマグロを欲しがった」と話し、61歳の男は「生活が苦しい漁師を助けるためにやっていた」と説明した。

 青森県は21年度当初の漁獲枠約710トンを県内37漁協に配分。3割近い約200トンを割り当てられた大間漁協は実績に基づき漁師に分配した。ただ、数百キロ~5トン以上と差があるため不満を漏らす人もいる。ある漁師は「1トンの枠なんてすぐに埋まる」とため息をつき、別の漁師は「船に群がる大量のクロマグロを釣れないのは悔しい」と語る。

 県の調査では、21年度のクロマグロ漁で漁獲量の未報告があった漁師は20人。県警は、未報告分を仲買業者らと取引して収入を得ていた今回の事件は氷山の一角とみている。

 東京海洋大の勝川俊雄准教授(水産資源学)は「今回の事件で漁獲枠のルールの形骸化が露呈し、日本の枠が減らされる恐れもある。漁獲から販売までの履歴を記録する制度の導入を検討すべきだ」と指摘する。

「今に始まったことじゃない」

 大間産クロマグロ漁獲量の未報告事件で水産業者2人が逮捕された事態を受け、大間町の漁師からは困惑と落胆の声が漏れた。

 大間漁協の組合員でタコ漁をしている30歳代の男性は、クロマグロを釣り上げたのに大間漁港で水揚げしない漁師が周りにおり、不審に思っていたという。「(未報告は)気分が悪いが、うわさは聞いていた。今に始まったことじゃないと思う」と眉をひそめた。同じく組合員でクロマグロ漁をする男性(67)は「みんながまじめに枠内で漁をしていると思っていたので残念だ」と肩を落とした。

 クロマグロ漁は取引価格が上がる12~1月初旬が盛んだ。そのため秋以降に漁獲枠を残しておくため、春からは一旦(いったん)漁を控える漁師が多いという。大間漁協の小鷹勝敏組合長は2人の逮捕後、報道陣の取材に応じ、「年が明けるとマグロを釣れなくて生活が苦しくなるのはわかるが、法を守って漁をしてもらいたい」とショックの様子。大間産クロマグロのブランドイメージへの影響が懸念されるが、「再びマグロを食べに大間に来てもらえるよう、我々も努力していきたい」と述べた。

読売新聞より転用

読売新聞オンライン

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