「不要不急の外出控えて」企業にも協力求める異例の呼びかけ 関東など10日の大雪予想で国交省・気象庁
- 政治・経済
- 2023年2月10日
関東甲信地方などでは、10日朝から広い範囲で雪が降って山間部を中心に大雪となり、東京都心を含む平野部でも広い範囲で積雪となる見込みです。
国土交通省は、不要不急の外出を控えるよう求めていますが、企業に対しても、これに協力するよう異例の呼びかけを行いました。気象庁によりますと、10日から11日にかけて、前線を伴った低気圧が発達しながら本州の南岸を進む影響で、関東甲信地方では10日朝から広い範囲で雪が降って、山間部を中心に大雪となり、東京都心を含む平野部でも広い範囲で積雪となる見込みです。
■関東甲信地方朝の通勤・通学時間帯の公共交通機関への影響は少なそう
まず、10日朝の通勤・通学時間帯の交通機関への影響が気になりますが、気象庁は、午前中から雪が降り始めて、量が増えるのは昼頃から午後にかけてとみていて、10日の昼までに予想される降雪量は、多いところで、関東地方の南部で5センチ、東京23区で1センチと予想しています。
気象庁気象監視・警報センター 池田徹予報官
「関東甲信地方では朝から降り始めるということで、朝の通勤時間帯に交通障害が起きるほどの積雪になっているということは今のところ可能性は低いだろうというふうに考えております。」
■油断できない夕方の帰宅時間帯「注意報級」の大雪予想が「警報級」になる可能性も 気象庁気象監視・警報センター 池田徹予報官
「これらの大雪については、基本的に注意報級といった見通しとなっておりますが、気象状況が条件が整いますと、場合によっては警報級の大雪となることも考えられます。」
気象庁は、現在のところ、関東甲信地方などに降る雪を「警報級」ではなく「注意報級」とみているほか、午後には沿岸部を中心に雨に変わると予想しています。
とはいえ、雪が雨に変わる時間帯が遅くなった場合などには平野部を含む広い範囲で警報級の大雪となる可能性があるとして、夕方から夜にかけて帰宅する時間帯については、降り積もった雪などの状況により交通障害が発生している可能性も十分考えられるとしています。
■「不要不急の外出自粛を」企業にも協力求める異例の呼びかけ
国土交通省水管理・国土保全局災害対策室 岩崎等室長
「大雪の場合には、不要不急の外出は控えていただくようお願いできればと思います」
不要不急の外出は控えて。
最近、政府や自治体などが住民に対して大雪への警戒や注意を呼びかける際に、よく使うフレーズです。
けれども、国土交通省の担当者は9日、住民ではなく、企業に対しても異例の呼びかけを行いました。
国土交通省水管理・国土保全局災害対策室 岩崎等室長
「企業の皆様におかれましても、社員の方々にですね、テレワークや雪の影響が出る時間を避けた通勤時間にするなどですね、そういったことを推奨していただくようお願いしたいと思っております」 いくら「不要不急の外出を控えて」と言われても、企業や団体に所属していたり学校に通っていたりする身で、一個人がそれに応じることは簡単ではありません。
そうした実状を踏まえての一歩踏み込んだ呼びかけでした。 国土交通省水管理・国土保全局災害対策室 岩崎等室長 「社員の人が『自分でそうしよう』と思っても、会社の方針で駄目だと言われると難しいかなとか思いましたので、そういったところも考えていただけると良いのではないかと思い、この場で呼びかけさせていただきました」
■精度の高い予測が難しい南岸低気圧による降雪 繰り返しますが、気象庁は今のところ、今回予想される大雪を「注意報級」とみていますが、予想よりも降水量が多くなったり、雪が雨に変わる時間帯が遅くなったりした場合には「警報級」となる可能性があることを強調しています。
これは何を意味しているのでしょうか。
気象庁気象監視・警報センター 池田徹予報官
「南岸低気圧による降水というのは、ほんの1度、2度といった気温のわずかな違い、あるいは降水量がほんの少し増えるか増えないかで何センチも降雪が変わるというような非常に微妙なところの予想になっておりますので、予想される気象状況、雪の量なども幅があるということは留意いただければと思います」
気象庁と国土交通省は9日の緊急の呼びかけに際して、去年1月、都心で10センチの積雪を観測し、首都高速道路がおよそ100キロにわたって通行止めとなり、立ち往生が起きた例を挙げました。 現時点の予報では、このようなことが起きる可能性が決して高いわけではありませんが、最新の気象情報や交通情報を気に留めて、外出する場合には十分な時間的余裕を持って行動することをお勧めします。
TBSテレビより転用
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