副議長、領収書に勝手に押印「認識甘かった」 交付金を自分の口座に
山形県戸沢村の荒川健一副議長(68)が、自らが代表を務める地域団体に交付された国の中山間地域等直接支払交付金のうち、農地を持つ会員22人に支払うべき計84万円を自分名義の口座に入金していたことが14日わかった。会員の印鑑を自ら用意し、村に提出する領収書に押していた。荒川氏は同日、副議長の辞職願を議長あてに提出し、受理された。
一部報道を受けて荒川氏が14日、記者会見を開き、説明した。昨年12月、交付金から出る「草刈りなどの日当」が支払われていないと指摘があり、発覚。その後、会員に全額を支払ったという。
個人口座に入金した理由については「団体の役員間で話し合い、草刈り機の購入に使うことを決めた」。着服や領収書の偽造にあたるかどうかについては「認識はなかった」「認識が甘かった」と繰り返し、「すべて自分でやってしまった」と話した。
この団体は「名高・上ノ山地区集落協定」。国から団体の口座に2020、21年度分として交付金計約235万円が振り込まれた。会計などの業務は事実上、荒川氏1人で担当していたという。
中山間地域等直接支払交付金制度は、平地と比べて農業生産条件が不利な点を補うための制度。農地の荒廃を防ぐ目的がある。(坂田達郎)
朝日新聞社より転用
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