チリ大統領選、左派ボリッチ氏が初当選…TPP批准に慎重姿勢
- 国際
- 2021年12月20日
【サンティアゴ=淵上隆悠】南米チリで19日に行われた大統領選の決選投票で、左派のガブリエル・ボリッチ下院議員(35)が初当選を決めた。来年3月11日に就任し、任期は4年。
選管発表(開票率99・4%)でボリッチ氏は55・8%を獲得し、右派のホセアントニオ・カスト元下院議員(55)を上回った。ボリッチ氏は、テレビ中継されたセバスティアン・ピニェラ大統領とのビデオ通話で、「すべてのチリ人のための大統領になる」と伝えた。
ボリッチ氏は格差是正を訴え、富裕層への課税強化や年金制度の改革などを主張している。環太平洋経済連携協定(TPP)の批准にも慎重姿勢だ。
チリは、アウグスト・ピノチェト軍事独裁政権(1973~90年)からの民政移管後、左右の中道勢力が政権交代を繰り返し、安定した経済成長で「南米の優等生」と称された。左派のボリッチ氏が路線をどこまで転換するかが注目される。
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