旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスが、保有していた新生銀行の株式をすべて売却していたことがわかった。SBIホールディングス(HD)が新生銀に対して実施した株式公開買い付け(TOB)に応じたとみられる。

17日に関東財務局に提出した変更報告書で明らかになった。報告書によると、シティはTOBの期限だった10日、新生銀株を市場外の取引で、SBIHDの子会社であるSBI地銀ホールディングスにTOBの価格である1株2千円で売却した。

シティは、SBIがTOBを始めた9月10日以降、株を買い増し、12月1日時点で保有比率は9・16%まで高まっていた。シティは、買い増しの目的について「状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」としていた。市場の間ではSBIに対し、「物言う株主」になるためではないかという見方もあり、動向が注目されていた。

SBIはTOBで、市場価格より4割高い1株2千円で新生銀株を買うと公表。直後に株価は2千円近くまで急騰し、TOB期間中は主に1800~1900円台で推移していた。10日にTOBへの応募が締め切られ、SBIは47・77%の新生銀株を保有することになり、目標の48%をほぼ達成した。17日には実際にSBIへの株の売却が行われ、新生銀はSBIの連結子会社となった。(小出大貴)