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FC東京 岡崎慎、膝ケアに「脳の刺激から痛みを改善」/Jリーガーの1日


<Jリーガーの1日:FC東京(4)岡崎慎>

子どもたちのあこがれの職業の1つでもあるプロサッカー選手。試合ではピッチで迫力あるプレー見せ、サポーターの心をつかむ。そんな一流選手たちは、どんな1日を過ごしているの? 練習以外の時間はなにをしているの? そんな素朴な疑問を、J1のFC東京の選手たちへぶつけた。「Jリーガーの1日」と題して、選手たちの日常を追った。第4回はDF岡崎慎(22)。

◇   ◇   ◇

DF岡崎はクラブでの練習を終えた後、2種類のパーソナルトレーニングを取り入れている。1つはパワーや瞬発力強化のため。もうひとつは、けがを経験した膝の状態をよくするためのものだという。

この膝のケアの施術が斬新だ。どんなものなのか尋ねると「脳の刺激という側面から痛みを改善するもの。膝が正しい位置と向きを保った状態で刺激を与えることで改善する、と言われています」。まったく想像がつかない。具体的にどんな施術をするのかさらに聞いてみる。「膝が痛いと話すと、首筋やほおをさすられたり、軽くたたかれたりして。それで本当に痛くなくなる。魔術師なのか? と。不思議ですが、あれは受けてみないとわからないです」と、言葉で説明しづらい感覚を口にした。

サッカー選手はきつい練習がある一方、練習が終わればあとは自由時間なのか。そんな疑問に対して「その感覚は正しいと思います」と率直に答えた。「午前に練習したら午後は暇なんでしょ? 好きなことを仕事にしながら、いいなあ」。そんなことを冗談ながらに言われたこともある。

同級生が今年、社会人になった。一般企業でばりばり働く姿を見たり、話を聞いたりした。「あの働き方はすごい。朝電車で行って、夕方や夜まで。下手すれば勤務時間も長くなったりしている」。一方で選手は、練習を終えてクラブハウスを出れば、仕事に縛られることはない。

岡崎自身、けがを経験するまでは“気持ちのいいプロ生活”を送っていたという。「数年前までは、練習が終わったら家に帰って昼寝して、起きて夜ご飯を食べて、寝る。そんな生活をしていた」。膝に爆弾を抱え、長期離脱を経験し、練習でも不安で全力を出せない日々を過ごしたことで、気づいたことがあった。

「自分は事故物件のようなもの。同じプレースタイル、同じ年俸ならけがのない選手が選ばれる。その時点で、マイナスが1つついている」

国内サッカーの頂点を争うJリーグ。日本代表を経験したベテランがいれば、年下の才能ある選手が毎年、我こそはと飛び込んでくる。そこで生き残るためには、“暇”に見える練習後もサッカーに費やす時間に自然と変わる。

明白に出る結果主義の世界で、荒波にのまれれば助け舟はない。「(練習以外にも)予定をつめないと、惰性で過ごしたら来年に引退と言われてもおかしくない職業なので。たとえそうなっても、『あのときああしておけばよかった』と思いたくない」。けが知らずだったユース時代。トップ昇格の際に手術を経験し、意識は変わった。

東京は2部練習なども少なく、オフも他クラブに比べるとやや多め。岡崎は「それだけ信頼してもらっている。『自分たちで考えてちゃんとやれよ』というメッセージつき。あとは自分次第。活躍できるか、試合に絡めるか、すべてはその日その日の過ごし方」と話した。【岡崎悠利】

◆岡崎慎(おかざき・まこと)1998年(平10)10月10日、東京都北区出身。中学年代から東京の下部組織出身で17年にトップチーム昇格。東京五輪世代で、18年にはU-21日本代表としてアジア大会準優勝、19年はU-22日本代表としてトゥーロン国際で準優勝など。好きな食べ物は唐揚げ。愛称はマコ。181センチ、77キロ。

岡崎慎(2021年4月撮影)© 日刊スポーツ新聞社 岡崎慎(2021年4月撮影)

日刊スポーツより転用日刊スポーツ


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