涙の小泉進次郎氏 首相に再選断念迫る
- 政治・経済
- 2021年9月4日
小泉進次郎環境相は3日夕、自民党総裁選(17日告示、29日投開票)への出馬を断念した菅義偉(すが・よしひで)首相と官邸で面会し、これまでの政権運営への尽力や、小泉氏がこだわる脱炭素化政策に理解を示したことに謝意を伝えた。面会後は記者団の前で涙を流した小泉氏だが、首相の再選に向けた環境づくりに奔走する一方で、首相自身には不出馬を迫っていた。
「首相が1年間やってきたことが新型コロナウイルスに対する批判一色で染まり、前向きな実績も覆い隠された。1年でこんなに結果を出した首相はいない」
面会後、小泉氏は記者団にこう述べ、再生可能エネルギーを原子力発電や石炭火力など他の電源よりも優先的に導入するとした政府方針の決定など、首相の実績を挙げた。
「悔しいのは首相が人間味のない人だと思われている節があることだ。まったく逆で、温かい、懐の深い人で、息子みたいな年の私に、常に時間をつくってくれて、感謝しかない」と述べると言葉を詰まらせた。
小泉氏は菅内閣で真っ先に首相の再選支持を表明し、首相の続投に腐心してきた。首相について疑心暗鬼になる若手議員にも、首相の素顔を知らせるなど橋渡し役も務めた。
その一方、小泉氏は首相に単独で面会する際は、再選断念を求めていた。
小泉氏は周囲に「菅さんは俺にとって、おやじのような存在だ。そのおやじのことを思えば、(劣勢の中)玉砕論で突っ込むことがいいとは思えない。(総裁選に敗れると)おやじがやってきた仕事が正当に評価されないばかりか、つぶされてしまう」と漏らす。
小泉氏は2日も首相官邸で首相と向き合い、「玉砕論は違う」と進言しつつ、「出馬を決断するなら最後まで全力で支える」とも強調した。それでも活路は開けなかった。小泉氏はこうつぶやいた。
産経新聞より転用
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