夏空に初めて響いた校歌「偉大な歴史の一歩」創部3年目の福岡大若葉が夏初勝利 高校野球福岡大会
- スポーツ
- 2021年7月7日
第103回全国高校野球選手権福岡大会が6日、久留米市野球場などで開幕し、1回戦5試合と2回戦6試合が行われた。昨年は県独自で4地区に分かれた大会が行われたため、県内全地区(135チーム)で争う夏の大会は2年ぶりとなる。創部3年目の福岡大若葉は福岡講倫館を10-3の7回コールドで破り、待望の夏初勝利を挙げた。
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初めての校歌が夏の空に響いた。創部3年目の福岡大若葉が夏の初勝利だ。公式戦初勝利は今春に挙げたが「テレビで(他校が夏の大会で)校歌を歌うのを見てきたので、それを自分たちができてよかった」と三島主将は初めて歌った校歌を振り返った。
2年前に学校が男女共学となり、創部と同時に入った1期生にとって最後の夏はみんなで勝って笑いたかった。1回に押し出しなどで3点を先制して試合を優位に進め、その後も適時打やスクイズ、6回は足を絡めて2点追加と自在な攻撃で点を重ねた。
創部1年目の夏は1年生だけで戦い、2年目はコロナ禍での休校や監督の交代などで選手のモチベーションは下がっていた。指導者不在で練習していた時期もあり「勝てなかったし野球が楽しくなかった人もいた」と三島主将は振り返る。
今年4月に土井監督が就任するとムードが変わった。学校のグラウンドは東京五輪ソフトボール女子日本代表の上野由岐子らを生んだソフトボール部などが使用するため、日替わりで練習場を転々としたが、土井監督は「1期生に一つでも多く勝ちを経験させることが課題」とまずは選手のモチベーションを上げることに努めた。
強豪がひしめく神奈川県の山手学院などで指揮を執ってきた土井監督が走塁やバントなど小技で点を取る作戦を伝授。「土井監督が野球の楽しさをもう一度、わからせてくれた」と三島主将は言う。
土井監督は夏の初白星を「偉大な歴史の一歩」と表現した。初代主将を務める三島は「戸惑ったこともあったけど、チームの成長が見られて良かった」と初勝利の喜びをかみしめ、次戦でもう一歩先を目指す。(前田泰子)
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