三宅宏実、父・義行氏いたからこそつかめた5連続夏季五輪切符…担当記者が見た
- スポーツ
- 2021年6月16日
日本ウエイトリフティング協会は15日、オンラインで会見し、今夏の東京五輪代表内定7選手を発表した。開催国枠で3人を選んだ女子は、49キロ級の三宅宏実(35)=いちご=が、柔道の谷亮子に並び日本女子最多の夏季5大会連続で代表入り。自国開催を現役生活の集大成とし「悔いのないように頑張ります」と意気込みを新たにした。男子は16年リオ五輪4位で61キロ級の糸数陽一(30)=警視庁=ら4選手が内定した。
三宅は、誰もが認める「練習の虫」だ。重量挙げは、体重の約4倍の重量を上げる競技。筋肉、腱(けん)、骨、じん帯。全身に負荷がかかる。練習量が過多なら体が悲鳴を上げる。たくさん練習をしたいのに、けがで思うようにできない焦り。19年世界選手権で途中棄権し「結構、こたえたなぁ…」と目に涙を浮かべる姿に、心を打たれた。この競技を、頑張り過ぎず頑張ることが、いかに難しいか思い知った。
「兆しが見えた」と振り返るのが、昨春。09年以降自分で練習メニューを作っていたが、19年冬から父・義行氏のメニューをこなすようになった。68年メキシコ市五輪銅メダリスト。「五輪を知っている人だから信頼できる」。娘の性格を熟知する父は、量や負荷を適切に調整。練習過多でけがにつながる悪循環を断ち切った。5大会連続切符へ踏みとどまれたのは、20年前、自宅の居間でバーベルを触り始めた時から常に間近で見守ってきた“師匠”がいたからだった。(重量挙げ担当・細野 友司)
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