阪神サンズV弾で最速貯金15 日本一85年も超える37戦目
- スポーツ
- 2021年5月14日
<阪神2-1中日>◇13日◇甲子園
首位阪神がジェリー・サンズ外野手(33)の決勝弾で引き分けをはさむ連勝を3に伸ばした。
1点ビハインドを追いついて迎えた8回、中日又吉から9号ソロ。開幕37試合での貯金15は、2リーグ分立後では球団最速記録となった。この日、甲子園で18日ぶりに有観客試合が復活し、ファンに届ける会心の逆転白星。14日から戦う2位巨人に3・5ゲーム差をつけ、東京ドーム決戦に臨む。
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試合を決めた助っ人は、虎党の拍手を全身に浴びた。お立ち台に立ったサンズはインタビューの最後、待ってましたと言わんばかりにニヤリとし、日本語で言った。
「タイガースファンズ、みんな大好きやで!」
一振りで試合を決められるから、ヒーローになれる。7回に追いつき迎えた8回2死走者なし。中日はこの回から、15試合連続無失点中の又吉を投入。勝ちパターンの好投手に1ストライクを奪われたが、動じない。2球目の内角147キロを左中間席へ運んだ。
「とにかくフェンスを越えてくれ、越えてくれ、と。ボールがフェンスを越えた瞬間うれしかった」
18日ぶりの甲子園での有観客試合で、勝ち越しの9号ソロ。アドレナリンと興奮が抑えられない。ベンチ前でのハッピーハンズは「いつも以上に興奮しました」と激しめ!? に披露。「甲子園で、タイガースファンのみなさんの前で打つホームランは本当にうれしい」とファンの前での会心弾をかみしめた。
新助っ人ロハスとは韓国プロ野球時代から家族ぐるみで付き合いがあった。1軍合流した初日から、キャッチボールを行い、意思疎通。「ロハスは1年目だし、何か言われたら助けたい。できる限りのことはしていきたい」。来日2年目。新助っ人を気遣う心の余裕が好結果につながっているのかもしれない。リーグ4位の9本塁打、同4位の25打点で重量打線の中、5番は不動だ。
矢野監督も「すごくいい試合で興奮しています」と高ぶっていた。「展開的にああいう1発が出てほしいなというところでね。打ってくれて、いやあ、盛り上がったね」と止まらなかった。
サンズの劇弾で、引き分けを挟んで3連勝。貯金は今季最多の15まで増えた。2位巨人に3・5差をつけ、14日からは東京ドームで直接対決する。15日には、通算2000試合のメモリアルカードとなる3連戦。指揮官は「タイガースの野球、超積極的、諦めない、全員で戦うという野球を東京ドームでもやっていきます」と力強く言った。勢いそのまま、一気に宿敵を突き放す。【中野椋】
▼阪神が引き分けをはさみ3連勝で、貯金を今季最多の「15」とした。1リーグ時代は30試合以下での貯金15が5回あるが、37試合目は08年の40試合目を抜いて、2リーグ分立後最速。なお、セ・リーグ最速は50年中日の19試合目(17勝2敗)。阪神がセ・リーグで優勝した年に貯金15に到達したのは、62年=79試合目、64年=61試合目、85年=80試合目、03年=44試合目、05年=78試合目。過去の優勝時を上回るハイペースで、このまま貯金を積み重ねられるか。
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