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防災気象情報における「警戒レベル」 レベル5を待たずに避難を


 ことし3月、内閣府は「避難勧告等に関するガイドライン」を改訂し、避難勧告等の情報を5段階の警戒レベルに区分して提供することになりました。

これとあわせて、気象庁が発表する防災気象情報についても、この夏から警戒レベルとの関係を明確化することとなりました。

レベル5を待たずに避難を

 警戒レベルは、住民が取るべき行動を直感的に理解出来るよう、最も高いレベル5からレベル1の5段階に分けられています。

このうち、レベル1とレベル2は気象庁が発表する注意報等にあたり、避難行動の確認等を行う段階とされています。

レベル3からレベル5は市町村が発令する避難勧告等をレベル分けしたもので、レベル3は高齢者や体の不自由な方が避難を開始する段階、レベル4は全ての人が避難をする段階とされています。

レベル5は既に災害が発生している段階です。ただ、市町村が災害発生を把握した場合に可能な範囲で発令するとされているため、災害発生時に必ずレベル5が発令されるとは限りません。ここから避難を開始することが困難となるような段階ですので、レベル4の段階で避難行動を行うことが重要とされています。

気象庁が発表する「警戒レベル相当情報」

 気象庁では、警戒レベルと気象警報などの防災気象情報との関連を明確にするため、洪水・土砂災害・高潮の各防災気象情報に「警戒レベル相当情報」を設定して周知することになりました。

洪水に関する情報では、大雨特別警報(浸水害)と、指定河川洪水予報における氾濫発生情報が「レベル5相当」、洪水警報の危険度分布における「非常に危険」ランクが「レベル4相当」などとなっています。

土砂災害に関する情報では、大雨特別警報(土砂災害)が「レベル5相当」、土砂災害警戒情報と、大雨警報の危険度分布における「極めて危険」「非常に危険」ランクが「レベル4相当」などとなっています。

なお、「伊勢湾台風」級の台風等が襲来すると見込まれる場合は、「レベル3相当」の大雨警報(土砂災害)が大雨特別警報(土砂災害)として発表されるため、大雨特別警報であっても「レベル3相当」となる場合もあります。

高潮に関する情報では、高潮特別警報と、高潮警報が「レベル4相当」となっています。ほかに、都道府県が発表する高潮氾濫発生情報が「レベル5相当」、高潮氾濫危険情報が「レベル4相当」となっています。

津波に関する情報の際は、避難指示(緊急)のみが発令されるため、警戒レベルは用いられません。

また、竜巻、雷、急な豪雨といった現象は、短時間で局所的に発生することが特徴で、発生する場所や時刻を予測し避難を呼びかけることが困難なため、警戒レベルの対象となっていません。

レベル4に慣れてしまわないことが重要

 日本の気象状況を考えると、同じ地域でも年に複数回「レベル4相当」の気象状況となることが考えられます。

実際に、少しでも災害の危険性がある場合には市町村からレベル4が発令されるため、毎回災害に結びつくとは限らず「空振り」となってしまうことが多くなります。

この繰り返しにより、レベル4で避難をして無駄だったと考えてしまうようになると、実際にレベル5になるような気象状況の時に逃げ遅れることが懸念されます。

レベル4で避難をして何事もなかったとしても、何事もなくて良かったと考え、次回以降も心構えを変えないことが大切です。

ウェザーニュース

 

 

一言コメント
早め早めの行動を心掛けよう。

 


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