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オリンピック開会式の“不適切演出案”、外国人がドン引きする「2つの理由」


渡辺直美© 週刊女性PRIME 渡辺直美

東京五輪・パラリンピック開閉会式の総合統括を務めるクリエィティブディレクターの佐々木宏氏が、起用予定だった渡辺直美の容姿をブタに喩(たと)えるような演出を提案していたという問題。世間の批判を受け、佐々木氏は自らの不適切な表現の責任をとるかたちで辞任することとなった。

海外出身のタレント・フィフィは、一般的な“国際感覚”の観点から見たとき、2つの意味で佐々木氏の感覚は大きくズレていたと指摘する──(以下、発言はフィフィによるもの)。

* * *

人間を動物に例えるということ──これは世界基準からすれば、あまりよろしくないことなんです。

日本ではその意識が希薄になってる人たちが多い印象です。先日、とあるテレビ番組内でアイヌ民族のドキュメンタリーを紹介後、芸人さんが「あ、犬」と謎かけをしてしまい問題になっていたことが記憶に新しいかと思います。

だいたい日本では“動物占い”がまかり通っているくらいだし、最近だと名馬を擬人化したゲームアプリ『ウマ娘 プリティーダービー』なども人気ですよね。そのため、人間を動物に例えることの何がいけないの? と思う方は少なくないかもしれません。

芸人ならイジられてなんぼ……?

今回は“ブタ”に例えたということで、日本人の感覚からしてもこれは明らかに悪口だけど、たとえば「あなた子犬に似てるね」と言うときなどは、悪口を言っている感覚ではないですよね。

 だけどそれらは、あくまでも日本のなかでの感覚。民族や国、宗教によっては、悪口として相手を“犬”と例える場合もあるし、あるいはムスリムは宗教的にブタ肉を食べたらいけないなど、動物に対するイメージは各国さまざまです。それもあって、動物に喩えること自体、侮辱に当たることもあるので取り扱いには注意が必要なんですね。

例えば、2018年にスウェーデンの大手ファストファッションブランド『H&M』が、英国版のオンラインショップ内で、「ジャングルで一番クールなサル」と書かれパーカーを黒人の男の子に着せていたため、世界各国から批判されました。サルと書かれた服を着せるだけでも炎上するほど、“動物イジリ”には敏感なんですよ。しかも、黒人への人種差別も含まれている。同社は謝罪に追い込まれ、サイト内の画像を削除することになりました。

また、こちらは極端な例かもしれませんが、中国の習近平国家主席が一時期、『くまのプーさん』に似ているとSNSで話題になったことがありましたね。これを受けて中国では、インターネット上の検閲を強化してプーさんに関する画像やテキストを締め出す措置をとりました。

今回問題となった佐々木氏は、過去にもソフトバンクの白戸家のCMを手がけ、お父さんを犬に喩えていたくらいなので、人間を動物に例えるという感覚に違和感がなかったのかもしれません。だけどそれは国際的に見ると、非常にズレた感覚なんです。

 また、ネットでは今回の報道を受けて、“相手は芸人さんだから、いじってもらってなんぼじゃないですか”といった意見もありました。本人が良いなら良いじゃないかという考え方ね。だけどたとえ本人がOKであったとしても、なかにはそうした“いじり”で傷つく人もいる。容姿をいじる笑いのとり方が日本ではオーソドックスだったとしても、その風潮を今後も広げていって社会のなかで当たり前にしてしまうと、誰かを平気で傷つけることに繋がりかねないわけです。

国際会議で振舞われる料理と同じように

容姿という生まれつきの特徴を露骨に指摘したり、その特徴を掴んで真似してイジるといったこと自体、海外ではからかっているとみなされてアウト。スタンダップコメディで大統領の喋り方を真似したりするけど、あれは侮辱・からかいの意味が込められており、いわゆる日本でいうところの“モノマネ芸”とは異なります。

そうした流れを受けて、最近では日本においてもルッキズム(容姿による差別)が浸透してきて、たとえプラスであっても容姿に関する特徴について露骨な表現は抑える傾向にあります。

国内においてもそうした傾向があるにもかかわらず、未だに容姿をいじる案が出てきたことに驚きですよね。まして今回はオリンピックという、日本がホスト国となり、海外の人たちを招待して楽しんでもらう国際イベント

そうした場で自分たちのなかだけでしか通用しない笑いの感覚を押し付けたとしたら、国外からはそれは笑いとして受け入れてもらえず、結果自分たちが損するだけのことに気が付いて欲しいです。グローバル化しましょうと言っても、このあたりの感覚が身に付かない限り、外国人の前で“ブタの演出”をやっても日本人が損するだけ。何がおもしろいのかわからないと言われるだけです。そもそも“オリンピッグ”なんてダジャレ、日本でも笑う人いなさそうですが。

 国際会議などで振るまわれる料理ひとつとっても、それぞれの国、民族では何が食べられないのかを踏まえたうえで、シェフはその会食に一番適した食材を選び、その条件のもと腕を振るうわけですが、それとまったく一緒。

国際イベントではセンセーショナルさをウリに、みんなが気持ち良く楽しめるものを作ることも一方で大事。すべての人が満足する、無難なところのなかで、いかに想像力、発想力を発揮するのか――。そういう難しいところを求められているからこそ、演出メンバーとして選ばれているわけでしょ。

それなのに、人間を動物に喩える、そして容姿をいじるという二重にアウトな感覚を持った人が、国際イベントの統括をしていたということに驚きました。今回唯一救いだったのは、きちんとした国際感覚を持ち、彼を注意する人間が周りにいたことですよね。万が一企画がそのまま通っていたら、本当に恐ろしい話になっていたと思うので……。世界中がドン引きでしたよ。

<構成・文/岸沙織>

 

週刊女性PRIME [シュージョプライム]より転用

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