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「3密NG」で少人数学級の出番…菅政権、教育改革の柱に


不登校の児童生徒は学級人数が少ないほど登校率が上昇した

 新型コロナウイルス対策で教室の「3密」回避のため、文部科学省が小中学校の「少人数学級」の拡充に向けた検討を進めている。菅義偉(すが・よしひで)政権が継承した教育改革の柱の一つとなり、来年度からの段階的な導入を目指す。現行の1クラス40人(小学1年は35人)を30人程度とする案が浮上しており、実現すればいじめや不登校を解消する効果が期待できるが、教員の大幅な増員が必要となるため、財源の捻出や質の確保といった課題もある。(玉崎栄次)

 ■教師の負担軽減

「必要性を真正面から訴え、実現に向けて努力したい」。萩生田光一文科相は再任後の会見で、少人数学級拡充に意欲を示した。

1クラスの人数は、義務標準法で上限が定められている。法律制定当初の昭和34年度は50人だったが、39年度に45人、55年度に40人に引き下げられた。平成23年度には手厚い支援が必要とされる小1を35人とした。現在は都道府県教育委員会などの判断で柔軟な学級編成が可能となっており、一部の学校で独自に少人数学級を導入している自治体も増えている。

川崎市立小の男性校長(57)は少人数学級のメリットを次のように語る。

「子供一人一人と向き合う時間を確保でき、トラブルに対処しやすくなる」

同校では研究事業の一環で、116人いる6年生に少人数学級を導入。3年前から本来は各39人の3クラスとなるところを、教員1人の増員を受けて各29人の4クラスに編成している。

この学年では3年前、複数の児童が関わるいじめ問題が発生したが、当事者となった児童らを別々のクラスに分散させ、子供同士の接触を回避することで問題を解決することができた。校長は「学級数が3つと4つでは、運用の柔軟性が格段に違う」と強調する。

答案の添削など担任教諭の事務仕事も軽減され、児童と密接に関わる時間を捻出できたことも、手厚い対応を可能にした。校長は「学級規模が小さすぎてもグループ学習などの幅が制限されるので、30人前後が適正だろう」と話す。

■課題は財源確保

少人数学級が改めて注目されたのは、コロナ禍の教室で子供同士の距離の確保に迫られたからだ。一般的な広さ63平方メートル(縦9メートル、横7メートル)の教室では、40人が1メートルの間隔を設けるのは困難。30人なら十分なゆとりを確保できる。政府の教育再生実行会議が今月8日、拡充の必要性を中間答申としてまとめており、文科省は来年度から段階的な導入を視野に入れている。

ただ、課題となるのが財源だ。教育関係者らでつくる「ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会」の試算によると、30人学級の実現には約4万6千~6万2千人の教員が必要で、国と地方を合わせて約3600億~4900億円の追加予算がかかるとされる。過去にも文科省が35人学級を中3まで拡大しようとしたが、財源の壁に阻まれ断念を余儀なくされた。

さらに、教員志望者の減少により教員採用試験の競争率の低下が問題視される中、優秀な人材を確保できるかも議論が必要だ。

慶応大の赤林英夫教授(教育経済学)は「指導力が不足した教員が増えれば、教育の質の維持が困難となる。オンライン授業や、教員の事務量を軽減するサポート職の採用など、学級規模だけに終始しない、総合的な議論が必要となる」と指摘している。

■不登校解消の効果も

新型コロナウイルスに伴う分散登校によって、学校現場に一時的な「少人数学級」が実現したことで、児童生徒の不登校が解消されたとする報告もある。

大阪府箕面(みのお)市の市立小中学校は6月15日の本格的な再開を前に、5月11日から分散登校を始め、1クラスの人数を段階的に増やしていった。市教育委員会が前年度に不登校(10日以上)だった児童生徒(114人)の登校状況を調べたところ、登校した割合はクラスの人数が少ないほど上昇していることが判明した。

1クラスの人数が9人の時期(5月25日の週)は49%が登校したが、20人となった時期(6月1日の週)には42%に減少。通常の40人(6月15日の週)に戻ると、32%まで大きく減った。市教委の担当者は「不登校の子供にとってクラスの人数が壁となっている。少人数学級は問題を解消する一つの手立てとなるのではないか」と話した。

産経新聞

 

 

一言コメント
実現できるといいね。


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