GoToトラベル「よく分からない」 政府の対応が迷走 福岡でも混乱 期待と不安
- 政治・経済
- 2020年7月23日
政府の対応が迷走している「GoToトラベル」が、ついに22日から始まりました。 様々な懸念が残る中での「見切り発車」となった形で、福岡の観光業者の間にも混乱が広がっています。
22日、「GoToトラベル」の初日を迎えた福岡空港。 国内線ターミナルでは県外に移動する利用客の姿が見られましたが、「GoTo」については必要な手続きや支援の受け方が「よくわからない」との声が多く聞かれました。
【福岡空港利用者】 「ルールがそれこそ東京が外れるとかって急に変わったりするので、使い勝手があまりよくないかなとか、もう少しわかりやすくして欲しいという気持ちはあります」
「旅行会社を通じないといけないのかとか、どこにお金が入ってどげんなるとかは理解できん」
炭火で一気に焼き上げる名物、ウナギのせいろ蒸しにー。
掘割を涼しげに進む川下り。
県内有数の観光名所、水郷・柳川です。 その柳川にある旅館・白柳荘では21日、地元の観光業者を集めた「緊急の会議」が行われていました。
▼富安信一郎支配人
「35%引きは7月22日から実施をされるということで」 議題となっているのは、22日から始まった「GoToトラベル」についてー 関係者同士が意見を交わし、制度への理解を深めることが目的でした。
ところがー
▼観光業者緊急会議
「国側のキャンペーンは自治体がやっているのと併用していい?」 「できる分とできない分があるようです・・・」 「実はこれが出るのもかなり遅かったので、(事前にあった県の)会議の時点でこれ出てないです。会議が終わった時点で出てきたので、私も見るのが先ほど」
会議で飛び交ったのは、事業への参加登録の方法やルールなどについて「よくわからない」という意見ばかり。
「GoToトラベル」を巡る混乱が、浮き彫りとなった形です。
「東京都の発着、具体的に言いますと、東京都を目的としている旅行、また東京都に居住する方の旅行を対象外から外す」
政府の対応が二転三転した「GoToトラベル」。
新型コロナで打撃を受けた観光地などを支援するために、宿泊代金の最大35%を割り引くなどする事業ですが、東京が対象外となったり若者と高齢者の団体旅行は控えるよう呼びかけたり、「迷走」の中での「見切り発車」となりました。
政府はキャンペーンに参加する事業者に「感染対策」の実施を義務付けていて、旅館・白柳荘でも「できる限りの対策」を取っています。
▼富安支配人
「こちらの空気清浄機ですね」 白柳荘では全ての部屋に空気清浄機を設置したほか、壁紙も湿気を通さないものに張り替えました。 食事の際もアクリル板を置くなど感染対策を徹底しています。 しかし現時点でも割引対象の事業者すらも決まっていないなど、不明確な部分が多く、当事者たちは困惑を隠せない様子です。
▼観光事業者
「一通りの流れっていうのが二転三転してるんで、なかなかちょっと把握できてないところがあるんで」 「国の対策とかも、?(はてな)なところがいっぱいありますけど、もう何を言っててもしょうがないので、とにかく頑張るしかありません」 一方で新型コロナの影響で、柳川市の4、5月の観光客はほぼゼロ。
6月おわりからの1カ月間も、3割から4割ほどしか人出が戻っていません。 観光需要の低迷が続く中で、関係者が「GoTo」事業に寄せる期待に変わりはありません。
▼富安支配人
「感染がまだゼロになっているわけじゃなくて、その中でこういう形で企画をやって頂いているんで、ある程度それに沿ってやっていくしかないのかなって思っていますんで」 「お客様が来てくれないことには売り上げがあがらないので、GoToトラベルキャンペーン始まるんですけど、ある程度はそういうところに期待したい」
新型コロナの感染者が全国的に増加するなど、懸念の中での見切り発車となった「GoToトラベル」。
関係者の間では“期待と不安”、双方の声が入り交じっています。
一言コメント
ますます心配になってきた。
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