九州豪雨、住宅被害1万棟超える さらに増加、あすにかけ再び大雨も
- 政治・経済
- 2020年7月11日

多くの場所で浸水が見られた筑後川流域=8日午後(本社ヘリから、彦野公太朗撮影)
4日からの断続的な大雨による九州7県での住宅被害は10日までに、少なくとも各県の集計で計1万1861棟に上っている。特に60人が死亡、10人が行方不明となっている熊本県で6千棟を超え最も被害が大きいが、まだ調査中の市町村も多く、被害の全容は明らかになっていない。今後も12日にかけて激しい雨が降る可能性があり、土砂災害や浸水被害の危険性が高まる恐れがある。各県は警戒を続けている。(九州総局 小沢慶太)
10日午後3時までの各県の発表によると、熊本県の住宅被害は6303棟。全壊23棟、半壊14棟、一部損壊45棟のほか、床上浸水が4580棟、床下浸水が1641棟の被害が判明している。床上浸水は球磨川の氾濫で甚大な被害を受けた人吉市が3775棟と突出している。ただ、球磨村など調査が終わっていない市町村も多く、県は「今後さらに増加することが見込まれる」としている。
2人が亡くなった福岡県は4848棟。一部損壊が1棟のほか、床上浸水が1450棟、床下浸水が3397棟だった。床下浸水は被害の大きい大牟田市(1719棟)、久留米市(1577棟)が大半を占めている。
鹿児島県は372棟が被害を受けた。全壊4棟、半壊2棟、一部損壊5棟のほか床上、床下の浸水被害は361棟に及んだ。大分県は207棟が被災し、そのうち全壊、半壊、一部損壊がそれぞれ5棟ずつ、浸水被害は192棟となった。
長崎県では71棟、佐賀県は58棟、宮崎県は2棟の被害が確認されている。 前線は九州の北の海上に停滞。10日午前は九州のほぼ全域でいったん雨が上がったが、大気の状態が不安定で、気象庁は今後、九州北部を中心に広い範囲で再び大雨になるとみている。
12日正午までの48時間予想雨量は九州北部300~400ミリ、九州南部150~250ミリ。12日以降も大雨が続く恐れがあるとしている。降り続く雨で土砂災害の危険性が高まっている地域もあり、依然として厳重な警戒が必要だ。
福岡県の小川洋知事は、県災害対策本部会議で「これまでの雨で土砂災害や洪水被害の危険も高くなっている。あらためて命を守るという意識を強く持ってもらい、早めの避難をお願いしたい」と呼び掛けた。
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