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見えない「コロナ後」世界秩序 「協調回帰」か「自国優先」か


新型コロナウイルスの世界的感染拡大を受け、戦後の国際協調システムをリードした国連や欧州連合(EU)などはうまく機能せず、世界の二大超大国の米国と中国がいがみ合う構図がはっきりした。

米中以外の先進国も自国の感染対策に追われ、他国との連携ではなく「内向き」を強めた。「協調回帰」か「自国優先」か。「コロナ後」の世界秩序がどう変わるか見えない。

◇世界リーダー面影なし
「米国第一」を掲げるトランプ米大統領の最優先課題は11月の大統領選再選だ。コロナ対応の遅れを批判され、支持率も低迷する中、国際協力よりも、感染震源地の中国への責任転嫁に執心している。「中国寄り」とやり玉に挙げる世界保健機関(WHO)への資金拠出中止もその一環だ。

米国は第2次世界大戦の参戦前、大西洋憲章で戦後構想を示し、国連創設も主導した。1947年のマーシャルプランで欧州復興を支えるなど現在に至る「リベラルな国際秩序」形成で指導的役割を果たしたが、トランプ政権にその面影はない。

米外交専門家の間では「コロナ後」に中国が覇権を握ることを警戒し、新秩序形成で米国のリーダーシップを求める声が上がる。米シンクタンク大西洋評議会のエドワード・フィッシュマン非常勤上級研究員は米紙に「米国はこれからの時代の挑戦に全力を尽くすべきだ」と提唱。新型コロナを契機に、気候変動などグローバルな課題への対応を米国が主導すべきだと訴える。

◇「沈黙」の安保理
国連は、グテレス事務総長がコロナ感染拡大を「第2次大戦以来最大の危機」と訴えるが、その存在感は薄い。特に常任理事国の米中の対立が暗い影を落とし、安全保障理事会は「沈黙」している。

安保理は、シリアなど紛争地でも新型コロナに対処できるよう世界での停戦を求める決議案を調整。交渉が6週間以上も続いているが、紛争地域にも感染が広がる中で機能不全の状態に陥っている。

安保理は停戦支持で原則一致するが、WHOの扱いをめぐり米中が激しく対立。そのため妥協案を模索し、安保理はWHOと直接言及せず、「保健を専門とする機関」という表現に変え、8日までに異議が出なければ採決に移る運びだった。しかし米国が8日に異議を唱え、採決は見送られた。採択の見通しに悲観的な見方を示す安保理理事国のある大使は「国連や安保理、多国間主義にとって非常に非常に悪いニュースだ」と語った。

WHOも当初から行動が遅いと批判され、米中対立のはざまで存在感に乏しい。中国から多額の投資を受けるエチオピア出身のテドロス事務局長の言動には実際のところ中国配慮が際立つ。記者会見で中国は「感染症対策の新たな基準を作った。各国も見習うべきだ」などと称賛を繰り返したが、元WHO法律顧問、ジュネーブ国際開発高等研究所のジャンルカ・ブルチ非常勤教授は「中国賛美は過剰だった」と苦言を呈した。

◇足並み乱れるEU
加盟国が次々と深刻な事態に見舞われたEUも協調に失敗した。コロナ危機当初、感染抑制のため各国が次々と隣国との国境を封鎖。供給が不足したマスクを囲い込む動きも出るなど自国優先に走り、移動の自由や単一市場という共同体の土台が揺らぐ事態に陥った。

この反省からフォンデアライエン欧州委員長は「自力でこの危機に対処できる加盟国はない」と繰り返し結束を訴えてきた。しかし、危機収束後の欧州経済再建をめぐっても、甚大な影響を見込むイタリアやスペインが求める大規模な支援策にドイツやオランダが難色を示すなど、足並みの乱れは深刻化している。

共同体の存在意義を示せなければ、各国でのEU懐疑派のさらなる台頭は必至だ。フランスのマクロン大統領は、第2次大戦後の欧州統合の計画全体が「正念場にある」と危機感をあらわにする。

冷戦終結後の世界秩序を主導した西側諸国がコロナ危機でいまだ混乱する中、一足早く感染拡大から脱した中国は「マスク外交」を展開し、国際影響力を拡大しようともくろむ。しかし中国の野心的な外交と露骨な宣伝戦に対する不信感と脅威論はますます強くなっており、「コロナ後」の世界秩序形成に向け混迷が深まりそうだ。

時事通信

 

 

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雨降って地固まらないのか…

 


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