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3月末に迫った「カード2020年問題」何が変わるか


 政府のポイント還元制度を追い風にキャッシュレス決済が浸透してきた。注目度が高いのはスマホを使ったQRコード決済。サービスが乱立し、ポイント還元率の高さで利用者ひきつけるシェア争いが話題だ。一方、その陰で目立ちにくいが、同じキャッシュレス分野で3月末に向けて確実に進む動きがある。クレジットカードのセキュリティー対応だ。【毎日新聞経済プレミア・渡辺精一】

◇IC化で取り残された日本

クレジットカードは、近年、情報漏えいや不正利用が問題になっている。日本クレジット協会によると、カードの不正利用被害額は2018年で235億円と12年の68億円から3倍以上になった。その8割は番号盗用。カード情報を盗み出し、それを基に通販サイトで高額品を買いあさるような手口だ。

実店舗では、カードの磁気ストライプを読み取る決済端末に仕掛けをして、情報を盗むスキミング被害がある。ネット上では、ショッピングサイトにサイバー攻撃を仕掛ける大規模なカード情報漏えいが目立つ。

実は、実店舗の被害はカード情報のIC化で抑制することができる。カード情報を、磁気ストライプではなく、ICチップに暗号化して格納することで、セキュリティーを高めるものだ。

IC化は欧州で1990年代に導入されたが、その被害防止効果が明らかになると、世界に広がった。ユーロ圏では08年にIC化が完了し、非ICカードは使えなくなっている。対応が遅れていた米国もオバマ政権下の14年に大統領令を出してIC化を一気に進めた。

残念なことに、この世界潮流から取り残されたのが日本だ。

これには日本のカード業界の特殊事情が災いした。海外は、カード加盟店一つにつき一つのカード管理会社と契約するが、日本では歴史的に一つの加盟店が複数のカード管理会社と契約する取引構造があり、加盟店手数料や決済端末設置コストが割高になっている。カード情報のIC化とは、カード本体にICチップを取り付けるだけでなく、加盟店でその情報を読み取る決済端末の更新が不可欠だ。だが、端末を更新する費用負担をめぐりカード業界や加盟店の間で足並みがそろわず、IC化が進まなかった。

◇安心して買い物ができない国

IC化の立ち遅れは、近年、訪日外国人(インバウンド)が増えるなか「セキュリティーホール」とみなされるようになった。訪日外国人の半数は買い物にカードを使う。地方や中小の店舗ではカードが使えるところが限られ不評だったが、カードが使える店舗でも磁気ストライプを読み取る旧式端末を使っているのだから「安心して買い物ができない」という不信が高まった。

そこで14年の政府による「日本再興戦略」は、東京オリンピック・パラリンピックをにらみ、クレジットカードのセキュリティー強化を盛り込んだ。それを具体化したのが、18年6月施行された改正割賦販売法だ。

法改正では、カード管理会社を登録制としたうえで、加盟店のセキュリティー対策が十分かどうか調査義務を課し、適切でない場合は加盟店契約ができないようにした。加盟店には20年3月までにIC対応端末を義務づけ、国際標準のセキュリティー対策を課した。国際標準とは、決済端末で読み取ったデータを直接、外部の情報処理センターに伝送し、加盟店ではカード情報を扱わないという仕組みをいう。

◇店舗の切り替えは急ピッチ

IC対応端末の義務付けは、流通業界の負担を増すため「2020年問題」と呼ばれてきた。その期限は間近に迫っている。

カード自体のIC化は法改正と前後して対応が進んだ。カードの有効期限は3~5年が多く、カード管理会社が更新時にIC化されたカードを送るという対応が主流で、ほぼ切り替えは済んだ模様だ。

店舗側も順次、決済端末のIC対応を進めている。以前は従業員が磁気ストライプを読んで決済していた店舗でも、決済端末にクレジットカードを差し込み、4ケタの暗証番号入力を求められるようになったことに気づいた人は多いだろう。

ただし、コンビニ、スーパー、百貨店などでは、商品が売れた時点でその情報を記録するPOS(販売時点情報管理)システムと連動した決済端末を導入しており、システム更新の投資費用が大きい。QRコード決済への対応などもあり、大手コンビニは端末切り替えを先行したが、スーパーなどではなお移行段階というところもある。JR東日本のみどりの窓口は期限ぎりぎりの4月1日にIC化される。

こうした変化は、カード利用者側には気づきにくい。だが、カード利用には自己責任が伴う。足元で何が起きているのかは正しく理解しておこう。

毎日新聞

 

 

一言コメント
お店のほうも対応が大変だ。


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