在沖米軍、時間外訓練強行 ルール破り4回「目的遂行が最優先」
- 政治・経済
- 2020年2月20日
在沖縄米海兵隊が、陸上自衛隊日出生台(ひじゅうだい)演習場(大分県)で12日から実施中のりゅう弾砲などの実弾射撃訓練(予備日を含め21日まで)で、地元住民が求めた午後8時以降の射撃自粛のルールを破って夜間訓練を強行している。自治体や住民が再三にわたり抗議しているが米軍側は無視し、18日夜には今回の訓練で4度目の時間外の射撃が確認された。過去にない暴挙だと地元の怒りが高まっている。
米軍の日出生台演習場での実弾射撃訓練は1999年に沖縄の負担軽減策として始まった。大分県や地元の由布市など1市2町は住民の不安を理由に夜間の射撃訓練を控えるよう要望し、米軍とのパイプ役を務める九州防衛局と2012年、午後8時以降の射撃訓練の自粛を定める覚書を交わした(17年に確認書に格上げ)。その後も、15年と17年に午後8時以降に実弾訓練が各1度あったが、地元自治体が抗議した後はルールは守られた。
ところが今回は14日を皮切りに、地元が九州防衛局を通じて抗議しても米軍は時間外の射撃訓練を続行。県によると少なくとも14日22発▽16日1発▽17日11発▽18日3発――が午後8時以降に確認された。
在沖縄米海兵隊のリチャード・ロビンソン中佐は13日に演習場内であった説明会で「夜間訓練は必要。不安は承知しているが、目的を成し遂げるのが最優先だ」と強調。米軍側は、訓練は日米両政府の合意に基づいているとして、地元自治体と協議のテーブルに着く姿勢も示さない。
九州防衛局は「私たちも大変遺憾。引き続き粘り強く調整したい」とするが、県の牧敏弘防災局長は18日、「許しがたい行為で、地元の声が聞かれないことは本当に残念だ」と憤りを示した。演習場近くで畜産業を営む衛藤洋次さん(60)は「抗議しても演習を止めない米軍が怖い。九州防衛局は、ルールを守らないなら米軍に演習をさせないくらいの立場で臨んでほしい」と訴えた。
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罰金でも取っちゃう?
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