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石川と平野のペア、五輪へ成長アクセル 卓球チームW杯


◇劣勢で成功した戦術転換

卓球のJA全農チームワールドカップ(W杯)東京第3日は8日、東京体育館で行われ、日本女子は準々決勝でルーマニアに3-0で勝って準決勝に進んだ。男子に続く4強入りでメダルが確定。東京五輪をにらんだ石川佳純(全農)平野美宇日本生命)のダブルスも、成長を加速させるアクセルに足を掛けた。9日の準決勝では韓国と対戦する。

ルーマニアのペアはTリーグにも参加している左腕のエリザベータ・サマラと右のダニエラ・ドデアン。立ち上がり、日本ペアは相手のサービスにてこずった。さらにドデアンのバックを攻めると強烈なカウンターを食らう。フォア側へは相手の攻撃を恐れて弱気なボールを送り、狙われる場面があった。平野は「最初、ドデアンのバックがめちゃめちゃ速くて私も硬くなってしまった」という。

第1ゲームを7-11で落とし、第2ゲームもリードされたが、サービスに慣れ始め、コース取りの修正も図っていく。それまでとは逆に、ドデアンのフォア側(日本ペアから向かって左側)を恐れず強く攻め、バック側は緩急も付けて丁寧にコースを突く。あるいは少しずらしてミドルへ送る。意識するコースが変わった相手ペアは、バック側へのボールにもドデアンが遅れるようになり、強いバックハンドが返ってこなくなった。

大きかったのは、この修正が第2ゲーム中にできたことだ。2ゲームを先に与えてしまうと、後で戦術を修正しても、相手に再修正する余裕を与えかねないが、10-10で並び、石川のサービス、平野のドライブなどで13-11と競り勝った。

女子ナショナルチームの馬場美香監督は「第2ゲームで、これをすれば得点できるけど怖いことを、勇気を持って実行できた。苦しい場面を2人で持ちこたえたところも成長した」という。ドデアンのフォア側を攻めて得点につなげ、バック側の備えも遅らせて崩す戦術への転換ができたことを評価した。

大きな大会、強い相手になればなるほど、修正の早さが求められる。しかもダブルスは、試合中に現状認識を共有し、技と体の対応を2人同時にしないといけない。

石川は「コース取りを試合中に変えるのはすごく難しい」という。狙うコースを変えると、相手の返球が来るコースの確率も変わり、パートナーが待ちや読みも変える必要がある。

相手だけでなく自分のパートナーの打球の影響を大きく受けるところにダブルスの難しさがあるが、「私がフォアを狙えば、美宇ちゃんがフォアで待っているとか、練習していたのでできました」と石川。

続く2ゲームは11-5、11-5で連取し、先勝して2番のシングルス、伊藤美誠(スターツ)にバトンを渡した。

◇シングルス

現在の日本の女子ダブルスでは伊藤、早田ひな(日本生命)組が最強だろう。団体戦で中国を倒すには、早田を入れて五輪代表を編成するのがいいと考える関係者が少なくなかった。

だが、日本の代表を決めるワールドツアーのポイントは伊藤、平野、石川の3人が他を離している。平野もダブルスはかつて伊藤とのペアで注目され、石川とも17年からツアーで何度か組むなど国際大会を戦ってきた。そうした状況から、最近2年間で最も中国勢を倒している伊藤をシングルスに2点使い、ダブルスは石川と平野で頑張る戦い方が妥当だとの見方になっている。

馬場監督はこの2人に「さらに攻撃的なペアになってほしい」と期待し、そのカギは主に石川にあるという。「平野のボールは中国選手にも対抗する威力がある。石川もフォアで仕留められる得点が増えれば、さらに攻撃的なペアになる」

それは石川のシングルスにも通じることでもある。バックの強化やフォアの高速化に取り組む一方で、本来の武器であるフォアドライブの「出番」が減ってきた。今春以来、フォアの攻撃を取り戻しつつあるが、ダブルスは右の選手と組むのでフォアを振る場面が多い。ダブルス強化に取り組むことで、シングルスへの効果も期待できそうだ。

石川はこの日、3番のシングルスでドデアンと対戦した。ポンポンとリードしたかと思えば、速いラリーでリーチの長い相手に打ち負けて連続失点するもどかしい展開。フルゲームの末に競り勝った。

ドデアンとは「10年ぶりぐらいの対戦」(石川)。サービスにてこずったが、前のめりにならず「取りあえずレシーブを入れておいて、相手に打たせてカウンターを狙う」冷静な戦術も取れた。これまで団体戦でリーダーらしさを見せてきた石川の良さが出た試合でもあった。

シングルスとの関係は平野にも言える。世界の卓球が速くなり、もはや高速攻撃は平野の代名詞ではない。テンポが単調で、コースもクロスの長い打球に偏る硬直的な卓球はたちまち研究され、この2年は中国のトップクラスに勝っていない。

だがここへ来て、ツッツキなどの台上プレーを増やして強引な強打ミスを減らし、ドライブにも緩急をつけ始めた。もっと精度が欲しいが、柔軟性が出てきたことは成績に表れており、ダブルスのプレーにも好影響を与えそうだ。あるいは逆に、コース取りが肝心なダブルスの影響で、シングルスのコース取りも視野が広がるかもしれない。

五輪の個人戦シングルス代表枠をめぐっては、僅差で激しく競り合う石川と平野だが、卓球選手は、一つの大会でダブルスを組む2人がシングルスの大勝負を戦うように、種目ごとに関係が変わることが珍しくない。

代表争いの火花は封印して、ダブルスの成長アクセルを踏み込む2人。ルーマニア相手に成長が見えたとはいえ、目標は五輪であり中国。今大会も、中国を慌てさせて初めて、収穫と言える。石川は、まず韓国戦に向けて「最初からエンジン全開でいきたい」と気を引き締め直した。(時事ドットコム編集部)

時事通信

 

 

一言コメント
五輪も期待できそうだ。


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