ソフトバンク1位佐藤は現役駅員 昨年日本S「警戒中」腕章はめ駅で遭遇の奇縁
- スポーツ
- 2019年10月19日
ドラ1「のぞみ」がタカを加速! 福岡ソフトバンクがドラフト1位で佐藤直樹外野手(21)=JR西日本=との交渉権を獲得した。
愛知・東邦高の石川昂弥内野手(18)を3球団競合の抽選で外した後、佐藤を単独指名。外野手の1位指名は球団で1978年の高柳秀樹以来41年ぶりだ。俊足強肩の佐藤は、ホークスが欲しかった右打者。JR広島駅の現役駅員が新幹線で西に向かい、ホークスを活性化する。
JR西日本広島支社の一室が沸いた。上司が「あっ」と声を上げた後、佐藤はドラフト会議のライブ中継が流れるパソコン画面に、自身の名前が映し出されたのを見た。ソフトバンクのドラフト1位。「頭が真っ白って、こういうことなんだろうな。(ホークスは)すごい超一流のスター選手ばかり。自分もそこに追い付いていけるようにしたい」。予想を上回る高評価。興奮を抑えられなかった。
球団では9年ぶりとなる野手の1位指名。外野の主力は柳田、中村晃、福田、上林と左打者ばかりで、右打者はもともと内野手のグラシアルで補っている中、待望の右打ち野手だ。50メートル走5秒8で遠投120メートル。俊足強肩でスピード感あふれる佐藤は、実は現役の駅員だ。「(自分の)イメージは新幹線? そうですね。そんな感じでお願いします」と初々しく笑った。
ドラフト当日も午前中はJR広島駅の改札での業務に励んだ。いつもと違うのは「昼ご飯がのどを通らなかった」。午後からは緊張を紛らわせるため、駅に近いマツダスタジアムの外周を走り、寮に戻ってウエートトレーニングと素振りで汗を流して、運命の時を待った。
1年前を思い返した。ホークスと広島が戦った昨年の日本シリーズの際、移動日に多くのファンが駅に詰めかけた。佐藤は「警戒中」の腕章をはめ、トラブルが起こらないように巡回。「目の前を選手がたくさん通って行った」。まばゆく見えた彼らと、同じ舞台に立つことになる。
プロで戦う上で「確実性を上げないといけない」と打撃強化を課題に掲げるドラ1は、工藤監督から「走攻守三拍子そろっている選手は、そういない。右打者がいない中、即戦力という意味で考えて取りました」と1年目からの活躍に期待を寄せられた。
29日に初戦を迎える社会人日本選手権では「ドラ1」の肩書を背負って注目を集めることになる。「やってやろうと思います」。常勝軍団の課題解消の鍵を握るホークスの「のぞみ」がスターダムを駆け上がる。
一言コメント
ホークスもさらに強くなりそうだ。
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