韓国向け半導体材料、きょうにも初の輸出許可…管理厳格化
- 政治・経済
- 2019年8月8日
政府が7月に韓国への輸出管理を厳格化した半導体材料の3品目の一部について、措置の発動以降、韓国向けの輸出が8日にも初めて許可されることがわかった。経済産業省が輸出に関する許可申請を審査した結果、製品が輸出先で適切に扱われることが確認でき、問題がないと判断した。
経産省が許可を出すのは、レジストとみられる。サムスングループ向けとなる可能性が高い。個別審査には90日程度の標準審査期間があるが、今回の申請については1か月程度の審査で輸出が許可されることになった。レジストは、半導体の回路パターンを作る工程で、基板に塗る感光剤として使われる。
日本政府は、7月4日から、レジスト、有機ELパネルに使われるフッ化ポリイミド、半導体の洗浄に使うフッ化水素の3品目について、韓国に輸出する企業が、個別の輸出契約ごとに許可申請をするよう輸出管理を厳格化した。審査では、製品を第三国に流出させる恐れがないかや、輸出先で適切に扱われるかなどを確認し、第三国へ移転させないよう相手国企業に誓約書を要求することもある。
従来は、原則3年間、個別の許可を不要とする優遇措置をとっていたが、韓国向けの輸出で「不適切な事案があった」(経産省)ことなどから、厳格化に踏み切った。3品目はいずれも保存が利かないため、韓国から短い納期での発注や細かな仕様の要求などが繰り返されていたとみられる。
3品目はいずれも日本が世界でシェア(市場占有率)をほぼ独占している。中国や米国などでも生産しているが、高い品質が日本のシェアが大きい理由だという。韓国貿易協会によると、韓国企業は、レジストの調達を日本企業に92・3%依存しているという。
韓国は、日本の措置について「世界経済に破壊をもたらす」(金勝鎬(キムスンホ)・産業通商資源省新通商秩序戦略室長)と反発を強めるが、経産省は今回の措置が禁輸や輸出規制ではないとして、今後も、韓国向け輸出の許可申請を審査し、問題がなければ許可を出す方針だ。
日本政府関係者は「世界のサプライチェーン(供給網)に影響することはない」としている。
一言コメント
決めたことを粛々とやるしかない。
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