「100年に1度の豪雨」温暖化で最大1.4倍に 国交省が治水見直し
- 政治・経済
- 2019年6月2日
国土交通省の有識者検討会は31日、地球温暖化によって将来の豪雨時の降水量が全国平均で1.1倍になるとの試算を示し、これを国管理の河川の治水計画に反映すべきだとする提言骨子案をまとめた。これまで河川整備計画は、各地域で過去に起きた最大の豪雨を基に、河川の系統ごとに作られてきたが、気候変動の将来予測を取り入れる方法に転換する。
昨年7月の西日本豪雨など、近年、大規模水害が頻発していることなどを受け、検討会は気候変動の影響があっても安全が確保できるように議論を進めていた。今夏にもまとまる提言を基に、国交省は河川整備計画を見直していく。
政府は現在、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に基づき、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑えることを目標に温室効果ガス排出削減に取り組む。既に世界の平均気温は約1度上昇しており、大規模水害が頻発している。
このため検討会は、2度上昇したと想定して「100年に1度」の頻度で起きる豪雨の降水量を試算し、全国平均で現在の1.1倍になると予測。温暖化対策を全く取らない場合は4度上昇するとの想定でも試算し、降水量は1・3倍、地域別では1.1~1.4倍になるなどとした。
これを踏まえ骨子案は、2度上昇の降水量予測に基づいて河川流量を算出し、河川整備計画を変更するよう求めた。また、4度上昇の試算も考慮し、排水設備や堰(せき)などの施設設計をするよう提言している。
河川整備計画を見直すと、堤防の設計やダム計画、排水設備などの変更が各地で必要になる。都道府県の管理する河川は今後対応を検討する。検討会委員の山田朋人・北海道大准教授(河川工学・水文=すいもん=学)は「気候変動を踏まえて治水計画を立てることは画期的。今後は将来予測を含めた治水計画が必要だ」と話した。
一言コメント
今年も「豪雨」はあるのかな?
コメントする