J1鳥栖6億円に迫る大赤字 トーレス補強、マッシモ監督解任など影響
- スポーツ
- 2019年4月29日
J1鳥栖を運営するサガン・ドリームスは28日、佐賀県鳥栖市内で定時株主総会を開き、当期純損益が5億8178万9000円の赤字となる第15期(2018年2月~19年1月)の決算が承認された。
赤字は4期ぶりで、J1に昇格した2012年度以降では過去最多額。今年1月に6億円の第三者割当増資を行い純資産額は3638万円となったため、J1やJ2の参加資格を失う債務超過は回避した。
同社が開示した経営情報によると、売上高合計は過去最高の42億5781万6000円を計上。広告料収入が前期比約7億2000万円増の22億9601万5000円となり、選手の他クラブへの移籍に伴って入る移籍金なども6億2212万1000円で前期より約2億円増えた。
一方で、元スペイン代表FWフェルナンドトーレスを獲得するなど大型補強を敢行したため、チームの人件費が前期比約7億6000万円増の25億7036万円に膨らんだ。さらに昨年10月にマッシモ・フィッカデンティ監督らを解任したことによる違約金などで、例年は2000万円程度だった営業外費用が4億5285万5000円と大きく増え、大幅な赤字になったという。
竹原稔社長は同日のホーム湘南戦前に会見。「収支のバランスが悪くなっているのは事実だが、ビジネスモデルを変えている段階。育成型クラブとして若手を育て、海外に出すプロジェクトを進めている」と説明。転換期として第17期(20年2月~21年1月)までは赤字になる可能性を示唆した上で「(選手放出に伴う移籍金が入る)その他収入を増やしつつ、(選手や監督との)契約を見直しながら違約金の発生による支出は減らしていきたい」と説明した。
運転資金の枯渇を懸念する声に対しては「資金繰りのスキーム(枠組み)はできあがっている。心配はいらない」と強調した。
人件費高騰の一因になっているフェルナンドトーレスが今季は前節までゴールなしにとどまっていることついて、竹原社長は「トーレスから選手たちが学ぶ点はたくさんあるし、海外との懸け橋として進んでいるプロジェクトもある」と前向きに受け止めている。その上で「まだまだシーズンは終わっていないので、彼には名を刻んでもらいたい」と奮起を期待した。
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