宇部井筒屋50年の歴史に幕 市民ら閉店を惜しむ
- 企業・経済
- 2019年1月1日
宇部井筒屋は31日、最後の営業日を迎え、市内唯一の百貨店で最後の買い物を楽しもうと多くの市民が訪れた。約200人が見守る中、閉店後にシャッターが下り始めると「今までありがとう」などの声と拍手が起こった。地域経済を支えてきた同店は、50年の歴史に幕を下ろした。
午前10時の開店前から、東西両玄関に100人を超える客が並び、東玄関横のカウントダウンボードや建物の外観を写真に納める人も多く見られた。午後6時の閉店まで店内はにぎわい、閉店直前からは店員が西玄関側に集まり、買い物客を見送った。
西玄関前で行われた閉店セレモニーでは、歩道に何重もの人垣ができた。田邊浩二店長は、声を詰まらせながら「暮れの大みそかにまで多くのお客さまに来ていただき本当に感謝している」と謝辞。取引先を含め130人の同店関係者が一斉に頭を下げ、シャッターが下り始めると、集まった人の輪から拍手と名残を惜しむ声が飛び交った。
閉店後にインタビューに応じた田邊店長は「きょう一日いろいろな方とお話させていただき、改めてこの店が果たしてきた社会的使命を感じた。経営上の問題で閉店してしまうことに対しては宇部市民の皆さまに申し訳ないという気持ちでいっぱい」と語った。
同店は、1969年にちまきや百貨店から引き継ぎ営業を開始。以来半世紀にわたり、宇部の中心市街地の顔として、市民に親しまれてきた。来年3月に、ゆめタウン宇部にサテライトショップ開設を予定しているが、閉店後の跡地利用の問題は、まだ定まっていない。
一言コメント
地方の厳しさを象徴している。
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