22大学で医学部「地域枠」欠員2割超、一般枠で穴埋め
- 政治・経済
- 2018年11月29日
医師不足を解消するため大学卒業後の一定期間、地域医療に従事することを義務付ける医学部の「地域枠」をめぐり、2018年度に約30大学の定員が埋まらなかった問題で、このうち22大学は2割を超える定員割れを起こしていたことが、文部科学省と厚生労働省の調査で明らかになった。
地域枠は、医師不足に悩む自治体が奨学金を出し、返済を免除する代わりに卒業後の数年間、指定する地域で勤務してもらう制度。
定員割れが目立つのは、「一般枠」と区別せずに入試を行い、その前後に地域枠の希望者を募る「手挙げ方式」の大学。最多は千葉大、信州大、東北大の各16人で、22大学では計161人に上る。
これらの大学は、定員割れの分を一般枠で埋めており、厚労省は、地域枠制度の趣旨に反する不適切な運用だとしている。定員割れが2割超の大学は次の通り(カッコ内は奨学金を設けた府県と欠員数)。
【国立】▽千葉(千葉16)▽信州(長野16)▽東北(宮城16)▽筑波(茨城13)▽山形(山形12)▽長崎(長崎12)▽滋賀医科(滋賀5)▽鳥取(鳥取4、山口1)▽香川(香川4)▽熊本(熊本4)▽岡山(広島2、兵庫1)▽佐賀(佐賀3)
【私立】▽近畿(和歌山6、静岡4、大阪3、奈良2)▽北里(神奈川5、茨城2、山梨2)▽帝京(千葉4、福島2、静岡1)▽久留米(福岡5)▽川崎医科(長崎4)▽東京医科(茨城3)▽独協医科(栃木3)▽順天堂(静岡3)▽東海(神奈川2)▽杏林(茨城1)
一言コメント
地方の医師不足はかなり深刻だ。
コメントする