神社は全国に8万1158社あり(2016年、文部科学省・宗教統計調査)、その数はコンビニよりも多い。とはいえ、定期的に通うという人は、そう多くないだろう。

ところが、中には足繁く通っている人もいる。億万長者や有名人たちだ。古くは源頼朝や豊臣秀吉のような、日本を動かした天下人から、パナソニックの創業者・松下幸之助や出光興産を創業し『海賊とよばれた男』(講談社)のモデルとなった出光佐三に代表される、大企業の経営者まで、成功者の多くは神様からパワーをもらっていたのだ。

◆億万長者には大切にしている神社がある

なぜ、成功者たちは神社に通うのか。外資系高級ホテルで働き、お金持ちたちの実態を目の当たりにした経験のある、『天国おじい 運とお金に嫌われてたボクが、あっちの世界から教えてもらった人生のいい流れに乗る方法』(ダイヤモンド社)の著者・石川大智さんはこう分析する。

「ビジネスなどで成功する人は、血のにじむような努力をしています。しかし、努力だけでは説明のつかない、素晴らしい縁やチャンス、いい取引などにも恵まれています。幸運に恵まれると人は、そこに、自分が予測できない外的要因があるのではないかと気づき、神様やご先祖様に崇敬の念を抱くようになります。実力以外の要因に感謝する、そうした精神性が、神社を大切にする心につながるのではないでしょうか」

◆ご縁の深い神社やマイ神社を作る

『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』(サンマーク出版)の著者・八木龍平さんはこう話す。

「決まった神社に通い続けると、その神社や神様にだんだん深いご縁を感じるようになるものです。だから成功者と呼ばれる人の多くは、“マイ神社”を決めています」

あれこれと多くの神社に行くより、通う神社を決めることが重要だ。人間関係と同じで神様を知るほど愛情がわき、神様からも好かれるという。

「通う神社に迷ったら、地元の神社から選ぶのも手です。神社は土地の守り神として地域に密着しているので、ご縁の深い神社の神様は、きっとひいきにしてくれますよ」(八木さん)

初めて行く神社には、その地元の人と一緒に参拝するのもよいという。

「地元の人は、その土地の神様に愛されています。地元の人と仲よくなると、その土地の神様とも仲よくなりやすいのです」(八木さん)

東京の愛宕神社は、1603年、徳川家康の命により、防火防災の神として祀られたのが始まり。山頂に伸びた坂は「出世の石段」と呼ばれ、出世勝運や商売繁盛のパワースポットだ。

「資産額5660億円の、楽天の三木谷浩史社長が初詣で毎年訪れています。1日限定ですが、電子マネー『楽天Edy』が使える賽銭箱が設置され、話題になりました」(八木さん)

神奈川県の鶴岡八幡宮は、 1191年、源頼朝によって創建。現在の本殿は、1828年、江戸幕府11代将軍・徳川家斉による造営で、若宮とともに国の重要文化財に指定されている。応神天皇を主祭神とし、勝負運や仕事運にご利益のある神社としても有名だ。

「横浜DeNAベイスターズの監督をはじめ主要選手とDeNA創業者である南場智子オーナーらが、シーズンオフに必勝祈願で通っています」(八木さん)

また、小泉進次郎衆議院議員のマイ神社が神奈川県の安浦神社だ。五穀豊穣、商売繁盛、福徳円満と、金運や招福アップのご利益が高いとされる事代主命や、独立や新規事業の立ち上げ、始原的な生命力をもたらし、人生に新たな柱を立てるといわれる建御名方命がご祭神の神社。小泉進次郎の実家から近く、進次郎は「思い出深い場所」と語り、盆踊りや祭礼のたびに訪れている。

※女性セブン2018年11月29日・12月6日号