データミックスは企業間取引・企業経営に必須なビジネスニュース、政治・社会ニュースを配信しています

お名前ドットコム

相次ぐ「梅だる」盗難、その背景とは 和歌山


 田辺市やみなべ町など梅干しブランド「南高梅」の生産地で近年、農家から梅を入れた「梅だる」が盗まれる被害が相次いでいる。今月16日には、みなべ町の農家の倉庫から大量の梅だるを盗んだなどとして男2人が窃盗罪などで起訴された。男らには梅の仲買人などの経験があり、“身内”ともいえる人物の犯行に生産者も憤りを隠さない。(岩本開智)

■倉庫から根こそぎ

「朝きたら、なんもなくなっていた…」。田辺市三栖地区の梅農家の50代男性は平成28年9月、梅だるを入れていたはずの倉庫が空になっているのを見て愕(がく)然(ぜん)とした。

盗まれたのは約200たる(約2トン、時価総額140万円相当)。倉庫に掛けていた鉄製の鍵は壊され、人を感知して光る防犯ライトもコンセントごと引き抜かれていた。「よくこんなことができたな」と今でも怒りが収まらない。

男性によると、梅の収穫時期は毎年6月ごろ。梅干しの原材料には、熟して木から落ちた梅の実が使われる。落ちたその日のうちに漬け込まないと、すぐに腐ってしまうという。さらに1カ月ほど塩漬けした後、順次天日干しをしてたるに詰め、出荷する。出荷作業は年明けまで続く。

「犯人は梅農家の大変さをよく分かっているはずだ」と男性。今では鍵を頑丈なものに付け替え、防犯カメラも新設している。

■被害後を絶たず

県警によると、統計を取り始めた平成24年以降、梅だるの盗難被害は田辺市で6件、みなべ町で7件(うち1件は未遂)。計約2千たるが盗まれ、被害総額は約900万円に達した。

JA紀南(田辺市)によると、南高梅の中でも最高品質にあたるA級品は、1たる(10キロ)5千~1万円の高値で取引され、盗まれれば被害は多額に上る。

業者でつくる紀州田辺梅干協同組合によると、農家から出荷された梅だるは加工業者に渡り、塩抜きや味付けをされて店頭に並ぶ。ただ、仲買人が直接農家から買い取り、加工業者に売ることもある。

みなべ町で梅だるを盗んだとして起訴された男らには、その仲買人の経験があった。町などによると、仲買人の多くが個人事業者で資格や許可は必要なく、人数などは不明。ある農家は「梅の価格が上がると、見知らぬ仲買人が増える」と明かす。

男の倉庫からは、盗まれた農家の氏名などが記載されたラベルがたるから剥がされた状態で見つかった。県警は、生産者を偽るため別のラベルに貼り替え、仲買人として紛れ込んで売却したとみている。

■対策乗り出すも

相次ぐ被害に対策の動きも出てきた。

協同組合では28年9月以降、盗難品や生産者不明の梅干しを購入しないことを決めており、仮に不審な梅だるの取り引きを持ちかけられた場合、すぐに警察に通報するよう関係者に呼びかけている。

JA紀南の青年部三栖支部は28年、梅だる倉庫の見回り隊を結成し、出荷の増える9月頃から翌年1月までの時期に週1回、夜に2人5組で地区内の梅農家約200軒を見回り警戒している。

支部長で自身も梅農家の掛田雄史さん(34)は「家と倉庫が別の場所にある農家も多く、夜間は人通りも少ないため監視の目が少ない」と指摘。隊の結成以降、地区内では窃盗被害はないというが、「見回り活動だけでは被害を完全には防げない。各農家が自費で防犯カメラを付けるなど対策を進めるしかない」と苦慮している。

産経新聞

 

 

一言コメント
厄介な問題だ。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

独自記事

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第5弾)

株式会社ブランニュープランニングの終りの始まりが来た。 民事再生という逃げ道をとった村田晃士氏 登記簿(関税人の名前消して) 3月末に動きがあった。私共データミックスの情報が嘘ではないことを証明した内容だ。(株)ブランニ […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第4弾)

2024年、石川県能登半島での大地震から始まってしまい、衝撃的な令和六年のスタートに不安を感じたが、被災者の皆さんの行動力や頑張りに胸を打たれながらの2ヶ月でした。特に心苦しいのがこんな大変な状況なのに発生してしまうのが […]

2 comments

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第3弾)

今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 アメリカは大谷翔平選手移籍の話題で盛り上がる中、わが国では政治家の裏金問題が岸田政権を揺るがす事態となっています。 今から来年のことが心配になっている […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第2弾)

2023年ももうすぐ終わる。 年末に向けて慌しくなる中、私は取材と周りの情報収集に走り回った。 「この人は信用できない。」 こんな声をたくさん聞く。 そう、村田晃士氏のことだ。 きちんとやっていそうだが 「中身はなんにも […]

1件のコメント

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する

世界中で猛威を振るった新型コロナが国内では5類に移行し、街も日常を取り戻しつつあるが、それに伴い様々なトラブルも増えてきているようだ。 福岡、天神に本社を置く「㈱ブランニュープランニング」という主に飲食店の内装やロゴ作成 […]

2 comments

独自記事一覧

石川の一撃

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「尾崎朝樹氏・田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第11弾)

中国で発生した新型肺炎は終息する兆しがなく、世界中で猛威を振るいつつあります。 暖かい季節になってきましたが、読者の皆様も健康管理など、くれぐれもご留意ください。 前回、ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下クイーンズヒル […]

4 comments

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第10弾)

温暖化と言われる時代ですが、やはり寒い季節ですね。 読者の皆さん風邪など引かないようにしてくださいね。 児玉氏の毎年の様にお友達と行われるマックスゴルフコンペ動画を見て 貴殿のスイングに目を奪われましたよ。 それに加え「 […]

1件のコメント

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?役員構成変更そして今後のI・Bは?(第9弾 後編)

豪雨、台風と今年も不安定な夏でしたが、やっと涼しくなってきました。 東京五輪もいよいよあと1年となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 (取締役 児玉崇氏) 前回はデータ・マックス社の度重なる役員構成変更に […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?さらなる役員構成変更の意図は?(第9弾 前編)

梅雨が明け真夏日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? 昨年にも増して暑さが厳しく感じられますね。 しばらく酷暑は続きそうですが、読者の皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 さて、昨年も報じてきた「データ・マ […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?(第8弾 後編)

後編 「役員構成変更に見え隠れする児玉氏の未来図とは」 前編に続いてデータ・マックスグループの役員構成について考えた。 ※同役員構成については、「NetIB News」「データ・マックス」は善か悪か?信念か金か?(番外編 […]

1件のコメント

石川の一撃記事一覧

Copyright© 2017 データミックス All rights reserved.