データミックスは企業間取引・企業経営に必須なビジネスニュース、政治・社会ニュースを配信しています

お名前ドットコム

毒の見分け困難な「雑種フグ」急増、温暖化で生息域変化…食中毒懸念も


高級食材の代表格であるフグをめぐり、有毒部位が不明な「雑種フグ」が増えている。温暖化で生息域が変わったことによる異種交配が要因とみられ、漁獲地域も変化。種類不明のフグは市場や調理者が排除しているが、見た目が従来種と酷似したものも見つかっている。フグを選別する調理者の資格基準は自治体で異なっており、鍋シーズンを迎える中、関係者からは「食中毒などの事故が起きかねない」として国や自治体に対応を求める声が上がる。(今村義丈)

■温暖化の影響

「フグの雑種は以前からいたが、これほど大規模に出ているのは魚類全体でも異例だ」

雑種増加を突き止めた高橋洋水産大学校准教授はこう指摘する。

高橋准教授が平成24~26年に茨城、福島、岩手の3県の太平洋沖で漁獲された種類不明のフグ252匹のDNA型を調べたところ、半数以上の149匹が雑種と判明。主に太平洋に生息するショウサイフグと、日本海に多いゴマフグが掛け合わされたものだった。

高橋准教授は「温暖化の影響で海水温が上昇してゴマフグが北上し、太平洋側に入り込んだためではないか」と推測する。雑種は見た目がショウサイフグとほとんど変わらないものもいたという。

■市場流通の恐れも

この2種はトラフグ属。日本海西部や瀬戸内海、東シナ海などで獲れる最高級のトラフグほど一般的ではないが、いずれもフグ料理店で出されることがあり、インターネット通販でも調理品が売られている。

フグは種類によって有毒部位が異なるため、厚生労働省は自治体向けの通知で、食べられる部位を種類別に限定。種類不明のフグは有毒部位も不明なため、厳重に選別・排除し消費者の口に入らないよう市場関係者らに求めている。通知で認めた部位以外を販売、提供した場合、食品衛生法違反として3年以下の懲役か300万円(法人は1億円)以下の罰金が科される。

厚労省の担当者は「食べられる種類、部位だと明確に分かるものでなければ流通させてはならない運用。雑種が増えても、もともと排除しているので大きな問題はない」と強調するが、選別・排除は基本的に市場関係者や調理者らが見た目で行っている。見分けが難しい雑種が増えれば、市場に流通する恐れも出てくる。

雑種フグ急増の要因とみられる生息域の変化は、漁獲量にも表れている。

水産庁によると、フグの漁獲量は長年、日本海側や東北が多かったが、近年は北海道が上位に。同庁がフグ類の統計を取り始めた平成7年は北海道は27トンだったが、27年には459トンと約17倍にも増加し、全国の1割弱を占めた。

■調理資格「統一を」

ここで問題となるのが、フグの調理資格が自治体ごとに異なる点だ。

フグの消費が多い山口県や東京都などでは試験に合格しなければ調理できないが、北海道では講習を受ければ可能で、実務経験年数の要件もない。北海道庁は「漁業関係者から『雑種が増えた』といった声は届いておらず、特に基準見直しは考えていない」としている。

こうした状況に危機感を抱くのが、市場やフグ料理店の関係者だ。8月に東京・築地で開かれた「ふぐサミット」で代表を務めた京都市のフグ専門店店主、亀井一洋(かずひろ)さん(67)は「都道府県で異なる資格制度では環境変化に対応できず、事故につながる恐れがある」と強調。サミット後、調理資格を国家資格に統一するよう求める要望書を厚労省に提出した。

これに対し、厚労省は「まだ雑種の実態確認をしている段階」として資格統一は未検討としつつ、「フグ類の輸出が増える中、フグ調理者と認定する基準を国で示せるかどうか検討している」としている。

奈良県立医大の今村知明教授(公衆衛生学)は「まずは各自治体で最新情報を把握し、対処する必要がある。国も自治体の参考となる情報を提供した方がいい」と提言している。

産経新聞

 

 

一言コメント
被害が出なけりゃいいけど…

 


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

※日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。

独自記事

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第5弾)

株式会社ブランニュープランニングの終りの始まりが来た。 民事再生という逃げ道をとった村田晃士氏 登記簿(関税人の名前消して) 3月末に動きがあった。私共データミックスの情報が嘘ではないことを証明した内容だ。(株)ブランニ […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第4弾)

2024年、石川県能登半島での大地震から始まってしまい、衝撃的な令和六年のスタートに不安を感じたが、被災者の皆さんの行動力や頑張りに胸を打たれながらの2ヶ月でした。特に心苦しいのがこんな大変な状況なのに発生してしまうのが […]

2 comments

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第3弾)

今年も残すところあとわずかとなりましたが、いかがお過ごしでしょうか。 アメリカは大谷翔平選手移籍の話題で盛り上がる中、わが国では政治家の裏金問題が岸田政権を揺るがす事態となっています。 今から来年のことが心配になっている […]

コメントなし

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する(第2弾)

2023年ももうすぐ終わる。 年末に向けて慌しくなる中、私は取材と周りの情報収集に走り回った。 「この人は信用できない。」 こんな声をたくさん聞く。 そう、村田晃士氏のことだ。 きちんとやっていそうだが 「中身はなんにも […]

1件のコメント

詐欺師か?ただの無能経営者か?行橋が生んだ経営者一家 村田晃士を追及する

世界中で猛威を振るった新型コロナが国内では5類に移行し、街も日常を取り戻しつつあるが、それに伴い様々なトラブルも増えてきているようだ。 福岡、天神に本社を置く「㈱ブランニュープランニング」という主に飲食店の内装やロゴ作成 […]

2 comments

独自記事一覧

石川の一撃

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「尾崎朝樹氏・田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第11弾)

中国で発生した新型肺炎は終息する兆しがなく、世界中で猛威を振るいつつあります。 暖かい季節になってきましたが、読者の皆様も健康管理など、くれぐれもご留意ください。 前回、ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ(以下クイーンズヒル […]

4 comments

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?ゴルフ場を巡る攻防「田原司氏と児玉氏との関係性は?」(第10弾)

温暖化と言われる時代ですが、やはり寒い季節ですね。 読者の皆さん風邪など引かないようにしてくださいね。 児玉氏の毎年の様にお友達と行われるマックスゴルフコンペ動画を見て 貴殿のスイングに目を奪われましたよ。 それに加え「 […]

1件のコメント

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?役員構成変更そして今後のI・Bは?(第9弾 後編)

豪雨、台風と今年も不安定な夏でしたが、やっと涼しくなってきました。 東京五輪もいよいよあと1年となりましたが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか。 (取締役 児玉崇氏) 前回はデータ・マックス社の度重なる役員構成変更に […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?さらなる役員構成変更の意図は?(第9弾 前編)

梅雨が明け真夏日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか? 昨年にも増して暑さが厳しく感じられますね。 しばらく酷暑は続きそうですが、読者の皆様もお体に気をつけてお過ごしください。 さて、昨年も報じてきた「データ・マ […]

コメントなし

「NetIB News」「データマックス」は善か悪か?信念か金か?(第8弾 後編)

後編 「役員構成変更に見え隠れする児玉氏の未来図とは」 前編に続いてデータ・マックスグループの役員構成について考えた。 ※同役員構成については、「NetIB News」「データ・マックス」は善か悪か?信念か金か?(番外編 […]

1件のコメント

石川の一撃記事一覧

Copyright© 2017 データミックス All rights reserved.