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<地銀>“地域のエリート”を独占採用してきた袋小路


 来年4月入社予定の学生を対象とする採用活動が終盤戦を迎えている。国内経済の改善を背景に企業が採用を積極化させており、引き続き、売り手市場の様相を呈しているという。そうしたなかで、地銀業界に異変が起きている。採用活動で苦戦を強いられている地銀が少なくないからだ。金融ジャーナリスト、浪川攻さんが報告する。【毎日新聞経済プレミア】

◇辞退者が続出

最近、九州の中堅地銀のトップはこうぼやいた。「現在、第3次の募集を行っているが、いまだに内定数が採用予定人数に達しない」。期待するような学生が乏しいために内定数が予定に達しないというのではない。面接などに訪れる学生が少ないからという話である。

また、関西地方のある中堅地銀はもっと困った事態に陥った。就職活動解禁から間もなく、130人ほどの学生に事実上の内定を出してホッとしていたものの、その後、辞退者が続出し、最近では「70人強の学生が残っているだけ」になってしまった。そこで、再び、採用活動を本格化させているという。

地銀といえば、各都道府県で優良企業とされ続けてきた。優秀な学生が集まることで知られ、学生にとっては「狭き門」のひとつだった。そんな地銀業界でこのような事態が広がっているのだ。金融庁もその状況を注視している。

ある地銀の幹部はこの事態について、「人口減少で地銀は苦戦し、将来ビジョンを描けないという報道が相次いだ結果、学生たちの足が遠のいた」と苦虫をかみつぶしたような表情でいる。そして、「金融庁まで『複数の地銀が存続できない都道府県』というシミュレーションを公表しているのだから」と恨めしげに語る。

しかし、それだけが理由ではない。学生側は、すでに入社した先輩などから情報を得ている。そのなかで「過剰な営業目標を与えられて、まったく楽しくない」といった話も聞いているようだ。先輩が入社数年で退社したという情報も得ている。そうした話が伝われば、地銀の人気度はいや応なしに低下せざるを得ない。

◇JPモルガンの中興の祖は

こうした状況について、ある金融庁の幹部はこう語る。

「県庁か地銀かの選択で悩むような学生を、率先して採用するような時代は終わったことを地銀は痛感していいのではないか」

地銀という業態が、もはや地域のエリート学生を選んでこと足りる時代ではない、という指摘である。

米国を代表する大手銀行であるJPモルガン(現在、JPモルガン・チェース)の「中興の祖」といえば、1990年から94年まで最高経営責任者を務めた故デニス・ウェザーストーン氏である。20世紀初頭以降、JPモルガンは世界の冠たる銀行として君臨し続けたものの、80年代にはビジネスモデルの老朽化などから経営は苦戦した。そのなかで内部改革を果敢に行って息を吹き返させたのがウェザーストーン氏である。

JPモルガンは米国の最高学府出身者がズラリと並ぶような銀行だが、英国の労働者階級出身のウェザーストーン氏は家庭の事情で大学へは行けず、JPモルガンの英国拠点に高卒で入社。初めはメッセンジャーボーイとして働いた。その人物が後年、この大銀行をよみがえらせた。ダイナミズムを感じる素晴らしい話である。地銀の皆さんはこの話をご存じだろうか。

毎日新聞

 

 

一言コメント
地銀をみれば地域が分かるというのは言い過ぎか!?


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