特殊詐欺、少年が急増=バイト感覚、逮捕の3割超―夏休み迎え警戒・警視庁
- 詐欺・悪徳商法
- 2018年7月28日
子や孫をかたり高齢者らから金銭をだまし取る特殊詐欺。警視庁管内で少年の逮捕が相次ぎ、今年上半期に全体の3割を超えた。被害件数も昨年から再び増加に転じており、同庁幹部は「アルバイト感覚で足を踏み入れている」と指摘。夏休みシーズンを迎え、警戒を強めている。
警視庁の今年1〜6月期の特殊詐欺事件逮捕者は446人で、このうち少年(14〜19歳)が141人と31.6%を占める。近年、少年は20%前後で推移してきた。
東京都内の特殊詐欺の被害件数は1485件(前年同期比552件増)、被害額は44億6000万円(同10億2000万円増)に上る。かつて少年事件の主流だったひったくりは減少傾向で、「特殊詐欺は手っ取り早く金が手に入る」との認識が広がっているとみられる。
逮捕された少年の大半は「受け子」と呼ばれる現金の受け取り役だ。友人や先輩から「簡単に稼げる」などと勧誘され、詐欺集団の一員に。組織内では他人や架空名義で契約した「飛ばし携帯」や、履歴消去機能のある通信アプリが使用され、少年らはリーダー格の顔も知らずに犯行を重ねてしまうという。
詐欺集団は少年らの財布や身分証などを取り上げることもあり、一度関わると抜け出すのは難しい。背後には暴力団などがいるとされ、警視庁幹部は「社会経験の少ない少年が組織の末端として利用されている」と強調。「夏休みは自由な時間と解放感があり、新たに手を染める子が増える可能性がある」と危機感を募らせる。
「ぼこぼこにされた」「関わっただけで人生だめにする」。警視庁は今春、特殊詐欺で逮捕された少年の生々しい証言を収めたDVDを制作。防犯教室や教員研修で活用するほか、他県警や各地の自治体にも提供した。同庁幹部は「軽い気持ちで始めて抜け出せなくなることを知ってほしい」と話している。
一言コメント
詐欺も病気も予防が大切。
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