富岡八幡宮、本庁離脱が凶行引き金か 4人死傷の惨状明らかに
- 政治・経済
- 2017年12月9日
大相撲の歴代横綱が奉納土俵入りをする富岡八幡宮(東京都江東区)の女性宮司ら4人が死傷した事件で、発生直後の惨状が8日、明らかになった。宮司の富岡長子さん(58)を切りつけ殺害したのは、弟で元宮司の富岡茂永容疑者(56)。姉の自宅近くに待ち伏せし、妻(49)と日本刀などで襲撃。その後、茂永容疑者は妻をあやめ、最後は自らの命を絶った。捜査本部は跡目争いを巡り恨みを募らせ殺害したとみて捜査を進めている。
捜査関係者や周辺の防犯カメラの映像などによると、長子さんは7日夜、八幡宮の敷地内にある自宅へ運転手の男性(33)とともに車で帰宅。車を降りた直後、付近の住宅の陰で約1時間前から待ち伏せていた茂永容疑者が日本刀で襲撃。長子さんの遺体の状況から、首や心臓など急所を狙って切りつけたとみられる。
走って逃げた運転手を茂永容疑者の妻、真里子容疑者が別の日本刀を手に追い掛けた。最初の現場から約100メートル先のスーパーマーケット前で運転手に襲いかかった。「おまえだけは許してやる」。目撃者はこんな叫び声を聞いたという。運転手の右腕はほぼ切断状態。病院に救急搬送されたものの命に別条はなかった。
その後、茂永容疑者は境内へ戻ってきた真里子容疑者の胸や腹を刺して殺害し、自殺したとみられる。自身の心臓付近には3カ所の刺創があった。現場付近には刃渡り約80センチの日本刀1本が、真ん中から折れた状態で落ちており、ほかにも刃渡り約45センチの日本刀1本、刃渡り約20センチのサバイバルナイフ2本があった。
神社本庁などによると、茂永容疑者は1995年から6年間、宮司を務めていたが、頻繁にトラブルを起こし退任。その後、宮司に復帰した父親は亡くなる前、自身の後任について、長子さんにするよう遺書を書いた。そのことを逆恨みしてか、06年1月には茂永容疑者が長子さんに「積年のうらみ 地獄へ送る 覚悟しろ」などと書いたはがきを送ったとして、警視庁深川署に逮捕されている。
地元では姉弟の長年にわたる確執は有名だった。背景には宮司の跡目争いがあるが、一体なぜこのタイミングで事件は起きたのか。
茂永容疑者は半年ほど前から周囲に「宮司に戻りたい」と漏らしていた。だが、6月には富岡八幡宮が神社本庁からの離脱を決め、宮司代務者だった長子さんが宮司に就くことになった。同じ頃、同容疑者から電話を受けた八幡宮の関係者によると「修業期間の短い人間が宮司になるのは許せない」と何かに取りつかれたように話していたという。
7月ごろに電話を受けた男性は「泣きながら不安定な様子で、長子さんの批判や不満を繰り返していた」と振り返った。氏子の男性は「本庁を正式に離脱した9月に長子さんが宮司になり、復帰の夢がついえた。それが凶行のきっかけになったのでは」と指摘した。
一言コメント
こんな一家が神の祭事をしてたとは・・・
コメントする