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英自然派化粧品LUSH、大型店舗への移転を加速 成長戦略を転換


ラッシュ英国発の自然派化粧品ブランド、ラッシュ(Lush)は世界49か国で事業を展開する。扱う製品は、バス、ボディー、ヘア、スキンケア用品などだ。2016年の世界全体での売上高は7億2300万ポンド(約994億円)となり、前年比26%増を記録した。

世界の美容業界に関する情報を提供するビューティー・インク(Beauty Inc.)によると、ラッシュは2015年の化粧品会社のランキングで世界34位。2012年の46位から大きく順位を上げた。

同社は2017年から成長戦略を大きく転換し、向こう3年間は新市場への進出よりも、各国の既存店での顧客の買い物体験をより「個人に合わせた」ものにしていくことに注力する方針だ。さらに、年間およそ50店舗を現在よりも面積が広い新店舗に移転させる計画。すでにより広いスペースに移転した各店では、売上高が30~50%増加しているという。

北米での事業拡大に重点

ラッシュの店舗数は現在、世界全体で931に上る。このうち250店舗が北米地域にある(米国内に200店舗)。北米での売上高は2014年以降、30.5%増加。既存店売上高は26%増加している。また、2016年6月までの通期(2016年度)の北米地域での売上高は、4億5500万ドル(約504億円)となった。2017年度は前年比25%増の5億5700万ドルを見込んでいる。

同社は今年度中に、米国とカナダにある既存店のうち30店舗を移転させる計画だ。シカゴの店舗を売り場面積の広い店に移転させるほか、ボストンとニューヨーク、ロサンゼルス、ダラス、ヒューストンに加え、カナダのカルガリーをはじめとする主要都市に新たなコンセプトストアをオープンさせている。

ラッシュは1995年、マーク・コンスタンティンが複数のパートナーと共同で創業。翌1996年に北米に進出。カナダに生産施設を構えた。

「自然派」にこだわり

ラッシュの店に客が引き寄せられる理由の一つは、香りかもしれない。ラッシュの製品は100%がベジタリアン向けの原材料を使用。うち80%は、ビーガン(完全菜食主義)でも使えるものだ。動物実験は一切行っていない。

製品はどれも、地元農家から仕入れた生鮮食品やガーナの女性組合から調達したシアバターなど、世界中の生産者から集めた原材料を使い、手作業で作られている。2016年に同社が購入した原材料は、レモン1トン以上、ライム5トン、ココアバター220トン、バナナ9トン、バニラビーンズ1トンなどとなっている。手作りの製品は合わせて4100万点に上り、うち1330万点は同社で最も人気のある「バスボム」だ。

ラッシュは環境問題や社会的大義を重視するという点で、ミレニアル世代やZ世代の若者たちと共感する部分が多いブランドといえる。同社は環境保護のため、これまでに1400以上の慈善事業に約1700万ドルを提供してきた。

また、ラッシュは上述のような考えを持つ顧客への価値の提供と、そうした顧客との関係構築の重要性を認識しており、そのための努力を続けている。例えば、空になった同社製品の容器5つとフェイスマスク1枚を交換できる「ブラックポット・プログラム」をはじめとした方法で、顧客の購買意欲を促す取り込みを行っている。

若い世代の消費者をターゲットとする化粧品各社の競争は、激化している。アルタ・ビューティーやメイシーズ傘下のブルーマーキュリーは、ラッシュの動向から目を離さない方がよさそうだ。


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