<関西電力>福岡・苅田で国内最大規模のバイオマス発電検討
- 政治・経済
- 2017年3月22日
関西電力が、福岡県苅田町に木質バイオマス発電所を検討していることが分かった。関電が九州に木質バイオマス発電所を設けるのは初めて。昨春の電力小売り全面自由化で、電力会社は従来の営業地域を越えた参入が進んでおり、収益源を多様化するのが狙い。
関電は「着工、発電開始時期など詳細は未定」としているが、関係者によると、出力は7万5000キロワットで、実現すれば国内最大規模になるという。周防灘に面した福岡県の新松山臨海工業団地に開設し、敷地面積は約5万平方メートル。主に海外の木質チップなどを燃料にし、発電した電力は九州電力に売電する。焼却灰は近くのセメント工場に原料として供給する計画だ。
関電は太陽光や風力など再生可能エネの発電所を全国で新設し、2030年に発電能力を現在の3.7倍の50万キロワット(水力を除く)を目指している。子会社の関電エネルギーソリューション(大阪市)が再生可能エネルギーの発電事業を手掛け、昨年12月から兵庫県朝来市で木質バイオマス発電所(出力5600キロワット)の稼働を開始。九州では苅田町のほかに、風力発電所(最大出力3万2000キロワット)を20年以降に大分県で稼働させようとしている。
周防灘沿岸は、港湾整備が進んでいるため貨物船でバイオマスの燃料調達がしやすいメリットがある。さらに国と県は新たな岸壁を整備中で、19年までに完成する予定だ。環境やエネルギー事業を手掛けるフランス企業も木質バイオマス発電所の建設を同工業団地で検討している。
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