福岡市の屋台公募を巡る不正問題などを受け、落選した屋台経営者の男性が今週中にも市を相手取り、営業継続を求める行政訴訟を起こすことが分かった。男性側の申し立てを受け福岡地裁は14日、市役所の関係書類を証拠保全した。

提訴するのは博多区で屋台を経営している男性(52)。公募の選考は公平性や透明性を欠いていたと主張している。男性の代理人弁護士によると、市側に採点結果などの資料提出を求めたが、黒塗りされるなど内容が不十分だったため証拠保全を申し立てた。文書の隠蔽(いんぺい)や改ざんを防ぐための証拠保全が、行政訴訟で自治体に対して実施されるのは異例。

一方、屋台公募で選考委員だった屋台組合長(当時)らから事前指導を受けたとして合格を取り消された6人分の再選考の筆記試験が同日、市役所であり17人が臨んだ。面接などを経て22日に合格者が決まる。

前回、落選した北九州市小倉北区のカレー移動販売店経営、丸谷(まるたに)真一郎さん(29)は「再チャレンジできてうれしい」と話していた。

毎日新聞