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中国の食品会社、39・9元の月餅を「1元」でネット出品…6百万個の注文殺到に「操作ミス」と取り消し求める騒動


【北京=山下福太郎】中国の中堅食品会社が、伝統菓子の月餅を1個1元(約21円)の格安価格でネットショップに出品し、全土から600万個もの注文が殺到する騒動があった。この会社は「操作ミスが原因」と説明し、数億元の損失が生じるとして購入者に注文の取り消しを求めた。だが、SNS上で「ミスではなく販促目的のはず」との批判を招き、収拾がつかない状況に陥っている。

一人で数百個も注文したケースも

南部・雲南省昆明に本社を構える嘉華食品は、月餅をアリババ集団のネット通販サイト・淘宝(タオバオ)に1個1元で出品した。通常は39・9元で販売しており、40分の1の価格となる。8月21日朝に購入者がその情報をSNS上で披露したところ広く拡散し、短時間のうちに600万個近い注文が殺到した。複数のアカウントを使って一人で数百個も注文したケースもあり、転売目的とみられる。

 中国では、旧暦の8月15日の中秋節(今年は9月17日)に月餅を贈り合う風習が根付いている。月餅は満月に見立てた丸い形が一般的で、小麦粉の生地にあんこを入れて焼いて作ることが多い。通常、月餅は1個数十グラム前後だが、嘉華の商品は400グラムと大きさを売りにしてきた。8月下旬から月餅商戦が本格化したタイミングだったことも、注文が殺到し騒動を大きくした一因とみられる。

嘉華は8月21日のうちに最初の謝罪文を発表し、「内部の操作ミスにより誤って1元の価格で出品した」と説明。商品の原価を大幅に下回るため数億元の損失が生じるとして、注文を取り消すように協力を求めた。

昨年も格安価格で月餅を売り出し

 これに対し、SNS上では嘉華が昨年も格安価格で月餅を売り出し、注文に十分に応じなかったという似た事例を起こしていたと指摘された。淘宝では、1元などの激安価格を短時間だけ示して利用者のアクセスを集める販促手法が出品企業により広く行われている。嘉華は注文の殺到をわかっていながら即座に受注を停止しておらず、「ミスではなく注目を集めるために消費者を利用した」との批判も出ている。一部の購入者はあくまでも商品の配達や補償を要求しているほか、「12315」と呼ばれる政府の消費者相談窓口へ苦情も相次いだ。

 そのため、嘉華は2日後の23日、2度目の謝罪に追い込まれた。「消費者を意図的に欺いたものではない」としつつ、政府機関の調査に協力する考えを示した。さらに注文1件につき5元の謝罪金に加え、同社商品の購入に使用できる10元分のクーポン券を支給するとも明らかにした。謝罪文では57万件、計506万個の注文があったと説明しており、2日間で90万個分の注文が取り消されたとみられる。

 公式サイトによると嘉華は1988年に設立され、社員数は約5000人、約300店舗を運営している。2023年の売上高は19億元といい、利益率が10%だったとしても今回の騒動で赤字に転落する可能性がある。

誤った出品相次ぐ

 ネット通販大国の中国では、販売業者による誤った出品が相次ぐ。8月28日、安徽省にある従業員6人の家電販売店は、洗濯機を仕入れ値の半額以下で出品してしまった。20分後に気付いて取り下げたもののすでに4万件の注文が殺到していた。3000万元の損失が見込まれ、従業員の女性は動画を投稿し「損失に耐えられません。生き残るチャンスを与えてください」と、沈痛な表情で注文の取り消しを求めた。

 昨年9月には広東省の製紙大手がペーパータオル1箱56・9元を6箱で10元に設定した。同社はミスだとしながらも成約済みの注文4万件にはすべて対応し、最終的に1000万元以上の損失が生じたという。

 中国メディアは、注文と支払いの完了により契約関係が成立するため、購入者は販売側に商品の配送を要求する権利があるとの弁護士の見解を伝えている。一方で、販売側による価格設定のミスであることが明白な場合、購入者との契約は無効になる可能性があるともしている。今回の月餅騒動がどちらに該当するかは不明で、どう決着するかも見通せないままだ。

読売新聞 より転用


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