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国内の「食品ロス」半減、政府目標を8年前倒しで達成していた…家庭の食べ残しや未開封廃棄は課題


まだ食べられるのに廃棄されている「食品ロス」について、国内の2022年度の発生量(推計)が21年度比51万トン減の472万トンとなり、政府の目標(489万トン)を8年前倒しで達成したことがわかった。食品製造業やコンビニなどで、賞味期限の延長や納品期限の緩和といった取り組みが広がり、「事業系」の廃棄が大幅に減ったのが主な要因。一方、「家庭系」は横ばいで、食べ残しや未開封食品の廃棄をいかに減らすかが課題となる。

 政府は国内の食品ロスについて、00年度の980万トン(事業系547万トン、家庭系433万トン)から、30年度までに489万トン(事業系273万トン、家庭系216万トン)に半減させる目標を掲げている。

 政府関係者によると、22年度の内訳は、事業系、家庭系ともに236万トン。事業系は21年度から43万トン減り、30年度の目標も大幅に下回った。一方、家庭系は8万トン減にとどまり、目標より20万トン多い。

事業系は、コロナ禍が本格化した21年度、外食需要の減少などで需要予測が難しかったこともあり、279万トンと20年度より微増(4万トン)したが、削減に向けた動きも加速。食品製造業では、包装容器の変更や品質保持技術の向上、製造工程の見直しなどにより、加工食品の賞味期限を延長するところが増えている。

 製造から賞味期限までの期間の3分の1が過ぎると納品できない商習慣(3分の1ルール)も課題だったが、コンビニやスーパーなどで納品期限を緩和する取り組みが拡大。販売期限が迫り、商品棚の手前に置かれた食品を買ってもらう「てまえどり」の呼びかけが消費者に浸透してきたことも、削減を後押ししたとみられる。

 一方、家庭系は食べ残しや、未開封の食品を食べずに捨てる直接廃棄が大半となっている。コロナ禍で買いだめ志向が強まったのも、削減が進まなかった要因とみられる。

 政府はコロナ禍後の23年度以降の動向も注視した上で、新たな目標設定の是非を議論する方針だ。

読売新聞オンラインより転用

読売新聞オンライン

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